2004年07月12日(月) |
鈴木宗男と辻元清美、二人の敗北 |
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「ごめん」の文字をキャッチコピーに暑い大阪でビールケースの上に立って支持を訴えた辻元清美。健闘したものの3番目の議席を確保できた自民党候補にあと一歩及ばなかった。彼女の立候補の余波で共産党現職の宮本たけし候補は大幅に票を減らして敗れ去った。辻元・宮本二人の票を合計したら100万票を超えることになる。もしも辻元に流れる票がなかったら共産党は大阪での議席を守りきることができただろう。辻元の立候補が自民党候補を利する結果になったのは何とも皮肉なことである。自民・民主の議席が拮抗する中で、この一議席の持つ意味は大きいからだ。
しかし、敗れたとはいえ大阪ではかなりの票が辻元に入ったのである。大阪のオバチャンたちは辻元への同情票を入れたのだ。中年女性の支持はかなり高かったらしい。
一方、もう一人の敗者復活希望組と言えばやはりあの刑事被告人、鈴木宗男だ。自民党を離党して昨年秋の衆院選は胃がんの手術を理由に見送った彼は、無所属で参院を目指した。「心友」と呼ぶ歌手の松山千春さんらの応援を受け、都市部を中心に無党派層の取り込みを図ったのである。
北海道は完全失業率(1〜3月)が6.9%とかなり高い。鈴木氏は「愛する故郷に利益誘導できない政治家が、日本のために何ができるのですか」と街頭で声を上げてきた。ヒグマしかいない田舎に高速道路を建設し、地元にゼニをばらまいてどこが悪いのかと開き直ったのである。とにかく全然反省などしていないのである。(こんな被告人には執行猶予なしの有罪、実刑判決しかありえない。)それでもかなりの票は集めたものの、惜しくも敗れることとなった。
それにしても、ここまで有権者が自民・小泉への批判を強めていたとはオレは少し意外だった。自民党の苦戦で株価が下がるという風評も、オレは正直言って信じられなかったのである。
だが、この程度の拮抗した結果で「民主党大勝利」と言うならそれも恥ずかしい。本当なら歴史的大勝利が可能だったところで、ボンクラ岡田克也は勝ちきれなかったのである。昨年の衆院選もそうだったが、地方の一人区でここまで勝てたのなら、都市部や比例区でもっと完勝できなかったのか。それがオレには不思議なのだ。もっとも彼の今回の選挙の目的は、自民党に勝つことではなくて、消費税値上げの着実なレールを敷くことなので、この結果については十分満足していることだろう。
さて、週明けの株価はどの程度下がるのだろうか。
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