オリックスに吸収合併されることが決定した近鉄バファローズを買収すると突然名乗りをあげたライブドア、いきなりの知名度アップで株価も急上昇している。連日のストップ高で620円→720円→820円→920円と急上昇、今日７月２日は1020円がついた。実に時価総額にして6000億円、この数日で会社の価値は2400億円も上昇したのである。年に40億円の赤字を出すお荷物球団を60年間持ちこたえることのできる金額をわずか４日で稼ぎ出したようなものである。ちなみに日本最大の私鉄、近畿日本鉄道株の時価増額は約7000億円だ。

　ところがこの提案に対して巨人のナベツネは「知らない人が入るわけにはいかんだろ。プロ野球には伝統ってものがあるんだから、金さえあればいいというもんじゃない」とあっさり切り捨てた。カネをばらまいて他球団の主力選手を引き抜きまくった男のこの痴呆症発言にはオレを含めて多くのプロ野球ファンがあきれたのである。

　ライブドアの堀江貴文社長は次のように語っている。

　「このまま、合併して１リーグ制になってしまいますと、これは縮小均衡ですので、衰退につながります。われわれの本業でありますインターネットのコンテンツ・サービス提供の部分でも、スポーツは非常に重要ですので、プロ野球が衰退するのは、われわれにとっても、また社会全体にとっても良くないことだと思います。われわれに球団を売っていただければ、プロ野球全体、プロスポーツ全体、社会全体の発展につなげることができると確信しております。プロスポーツはみんなのもの、公共財です。ファンのものであり、すべての国民のものだと思っています。それを助けるのは、一上場企業として当然のことだと思います。」

　全く非の打ち所のない正論である。プロ野球全体を私物化しようとしているあのジジイよりも、堀江社長がはるかにすぐれた人物であることはもはや疑いの余地がない。近鉄のような経営努力を放棄した親会社ではなくて、ライブドアに買収される方が選手も幸せである。どんな経営戦略を打ち出してくれるのかとオレは大いに期待してしまうぜ。新球団の監督には元巨人監督の原辰徳を起用するとか、株式を公開して選手にはストックオプションを与えるなどという構想も語っている。一度も日本一にならないままその球団が消滅するという悲劇を逃れた球団が、来季は真の戦闘集団として生まれ変われるかも知れないのである。

　ここはなんとか他の球団の馬鹿オーナーどもにもしっかりと根回しして買収賛成派を増やして、がんばってナベツネの野望を阻止するんだ。それでも近鉄が売らないと主張するのなら、いっそのことＴＯＢ（株式公開買い付け）をぶちあげて親会社の過半数の株を取得し、一気に近鉄の経営権を乗っ取ってしまえ。大丈夫だ。資金はどんどん新株を発行して集めればいい。そうするとオレの最寄り駅の電車も、近鉄電車じゃなくてライブドア電車になるぜ。やるんだったらとことんやってくれ。

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