2004年06月22日(火) |
ラブホテルの屋根、新幹線を直撃 |
携帯用URL
| |
|
最初は強い大型だったはずの台風6号は、その勢力をどんどん弱めながら日本に接近、普通の台風になって四国に上陸した後兵庫県を通過し、若狭湾に抜けるというコースをとって結果的に近畿地方を直撃した。オレの住んでいる土地にもかなり激しい風が吹き、かなりの雨も降った。
幸いなことに我が家への被害はなかったのだが、テレビでは新幹線が完全にストップしたことが報道されていた。「飛来物により架線事故」と駅の電光掲示板には流れたとか。こう書かれると飛来物っていったいなんだと思ってしまうのである。テレビに写ったのは見覚えのあるオレンジ色の壁のラブホテルだった。クルマでオレはその脇を通過したことがあるからだ。「飛来物」ではなくて、ちゃんと「ラブホの屋根」と説明すべきである。
その長さ約50メートルの屋根が完全に吹き飛んで架線を破壊したのである。走行中の新幹線は最寄り駅で停車し、客は復旧の目処もつかないままに車内で動くのを待つか、あるいはあきらめて引き返すことになった。オレが気になったのは、屋根が吹き飛んだときにそのラブホにいた客のことであった。台風というのにそんな場所にいるとはまことに不謹慎な方達である。しかし、学校が臨時休校になっていたそうだから、もしかしたら高校生や大学生のカップルが多数いたのかも知れない。
さて、今回の新幹線の被害だが、これは簡単に屋根が吹っ飛ぶようなヤワな建物を造った側に賠償責任があるのか、それとも自然災害による被害ということで責任はないのか。とにかくJRの受けた金銭的被害は甚大だったはずである。払い戻した金額は数億はあるはずだ。
父から室戸台風のことを聞いたことがあるが、60メートルの風というのは木が根こそぎ引きちぎられ屋根瓦がバラバラと空中に舞うそうだ。多くの犠牲者が出るのもわかる。だが、今回の台風報道での死者や行方不明者というのは、強風の中でウィンドサーフィンをしていたとか、堤防に打ち寄せる波を見ていてさらわれたとか、釣りをしていて高波にさらわれたとかである。それは台風の犠牲者というよりは、本人の過失や不注意によるものではないのか。なぜわかっていてそんな場所に出向くのか。死者数千人という台風は1959年の伊勢湾台風を最後に来ていない。今もしあんな化け物台風が来襲したら、いったいどれほどの被害が出るのだろうか。
前の日記 後の日記