2004年06月20日(日) |
こら、ウンコをいじめるな! |
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誰がウンコを産業廃棄物にしたんだ。江戸時代はウンコを貴重な肥料として農家の間で奪い合っていたくらいだぜ。食い物がいい武家屋敷のウンコは、貧乏人の長屋のウンコよりもはるかに高値で取引されたくらいだ。そんな貴重なウンコの価値を失わせたのはいったい誰なんだ。いつからウンコは忌み嫌われる存在になったんだ。誰でも毎日排泄しているものじゃないか。どうしてそんなにウンコを差別するんだ。
ウンコやシッコに敬意を払って黄金や聖水と呼んでくれるのは今やごく一部の変態さんだけである。家畜のウンコも昔は貴重な肥料だったのが今は農家の需要が減ったために余って捨てられるようになり、ついに家畜排泄物処理法で厳しく規制されるようになるのである。ウンコは臭いのが当たり前なのにこの法律では悪臭も取り締まりの対象になるのである。地下にしみこんだ屎尿は地下水を汚染するということで、貯蔵場所はコンクリートの床にしないといけないのである。むちゃくちゃな話である。オレが子どもの頃は家の近所に肥だめがあって、よく小さな子どもがはまってウンコまみれになっていたぜ。今なら肥だめを所有する農家が訴えられちまうんだろうな。
その悪法のせいで、全国の子どもに27年間にわたってカブトムシを贈り続け、カブトムシおじさんとして親しまれている福岡県久留米市の酪農業内田龍司さん(52歳)の活動も存亡の機に立たされているという。野積みした堆肥(たいひ)の中で幼虫を育てる独特の飼育法が、一月に完全施行される家畜排泄(はいせつ)物処理法により違法となるためだ。内田さんはカブトムシが牛の排泄物に好んで産卵する習性を利用して飼育法を確立。転作田(約五千平方メートル)に牛ふんと稲わらを混ぜた堆肥を積み、年に一万匹ものカブトムシを育てて学校や幼稚園に贈ってきたのである。今年も東京や鹿児島などに幼虫をプレゼントし「来年も贈ってください」と礼状が届いている。
しかし、この家畜排泄物処理法が施行されれば、違反者である内田さんには50万円以下の罰金が科されるのである。地下に防水シートを張り、屋根を設けるなどして規制をクリアする手もあるが、成育環境を変えればカブトムシはおそらくうまく育たなくなるだろう。ウンコのように自然に還っていくものはゴミではない。規制すべき有害な産業廃棄物をきちっと取り締まらない一方で、なんの罪もないウンコが排除されるのだ。なんと理不尽なことだろうか。
「ウンコをいじめるな!」
オレは声を大にして言いたいのである。
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