2004年05月17日(月) |
大丈夫か?2010年ワールドカップ |
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国際サッカー連盟(FIFA)は5月15日、2010年ワールドカップの開催国に南アフリカを選んだ。アフリカ大陸でワールドカップが開催されるのは初めてである。ワールドカップをどの国で開催するかはFIFA内での激しい権力争いに常に左右されてきた。欧州とブラジルの対立のおかげで2002年は日本と韓国の共同開催という結果になったわけだが、2006年にアフリカ開催を実現できなかったブラッター会長が提案した「大陸持ち回り」という妙案が今回の南アフリカ開催につながったのである。
南アフリカでアパルトヘイト政策が撤廃され、民主化が実現して10年たったわけだが、この国では民主化=犯罪の自由化だったのである。裕福な白人階級が次々と襲われ、武装強盗に郊外の農場主が襲撃されて殺される事件も頻発した。そのため白人はどんどん国外脱出してしまい、後に残ったのは不景気と大量の失業者だったのである。そのためますます治安は悪化した。南アフリカの首都ヨハネスブルグの治安は今や世界最悪と言われているのだ。警官ですら入ることを恐れる無法地帯もあるという。道を歩いていると10分以内に必ず路上強盗に遭うのだとか。そんな国でワールドカップを行ったとして、果たして選手や観客の安全が守れるのか。
また、人口の25%、実に4人に1人がエイズ感染者というハイリスクな土地に世界から多数の観客が押し寄せることがどれほど危険なことかと、オレは心配してしまうのだ。処女とセックスしたらエイズが治るというとんでもない迷信があって、そのために年端もいかない若い女性が次々とレイプされているという、まさにこの世の地獄なのである。
ワールドカップを観るためにやってくる大量の観光客は、飢えたライオンの前に投げられた肉片でしかない。かといって観客が少なかったら危険も減少するが大会収入も減ってしまうのだ。いずれにせよ開催国を南アフリカにしたことがそもそもの間違いなのである。日本人選手の安全を思えば、極端だがオレは予選落ちした方がいいとまで思ってしまうのだ。
「仕事も食べ物もない国に、ワールドカップが希望をもたらす。大きな自信を持ち帰りたい。」と南アフリカ招致委員会のジョルダーン最高責任者は語ったという。確かにあんたたちは大きな自信を持ち帰るだろうが、オレは選手たちが世界にHIVウイルスを持ち帰らないかと心配でならないのである。
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