2004年05月15日(土) |
踏切ではねられたのは電車のせいだ! |
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2002年4月、前橋市江田町のJR上越線井野―新前橋間にある「第二江田踏切」を自転車で横断中の中学1年の少年が電車にはねられて死亡した。YAHOOの地図検索で確かめたところ、現場の線路は見通しのよさそうな直線部分だった。遮断機も警報機もない小さな踏切だったが、小、中学生の通過も多かったという。
はねられた少年の両親はJR東日本に対して逸失利益など8300万円の損害賠償を求めて訴訟を起こし、前橋地裁の東條宏裁判長は5月14日、約1365万円の支払いを命じる判決を下した。安全確認をしないで線路に入った少年にも過失があったということで、過失相殺で賠償額は減額されたが、判決はJR東日本側に責任を求めるものだった。
オレはたいへん不思議に思ったのだが、電車というのは通過時にかなり大きな音と振動を伴うはずである。間近に迫る電車の轟音を聞きながら悠然とその前を電車スレスレに横切るだけの蛮勇はオレにはない。はねられた少年が自転車に乗っていてその音と振動に気づかなかったのはなぜだろう。裁判はそのことを明らかにしたのだろうか。
少年に聴覚障害があったのならそのような踏切は利用すべきではないし、もしもヘッドホンでウォークマンを聴きながら自転車に乗っていたせいで電車の音が聞こえなかったのなら、はねられた側に重大な過失があったわけでJR東日本には落ち度はない。また、通学路にそんな危険な箇所が存在することを知っていたはずの学校はなんの注意も生徒に与えていなかったのだろうか。通行禁止まではしなくても、十分な注意はしておくべきだっただろう。絶対に自転車で踏切に飛び込んではならないとか。
一時停止せずに猛スピードのまま踏切に突っ込む行為は自殺と同じである。交通量の多い幹線道路にいきなり飛び出すのと同じだからだ。息子を失った親の嘆きはよくわかる。殺されたのに何の賠償もとれないのは理不尽だと思うのだろう。しかし、息子は決して「殺された」のではなく、自らの不注意で死地に飛び込んだのである。それに対して賠償を払わされることにJR東日本が同意できないで控訴するのも当然だろう。
それでも少年の両親が賠償金を求めるならば、JR東日本の側は事故の処理に掛かった費用をきっちりと請求すべきだし、一人一人の乗客はダイヤの乱れが生じたことによって自分が受けた迷惑に対して個別に訴訟を起こすべきである。その総額は数億円にのぼるだろう。
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