2004年04月27日(火) |
マンション売る馬鹿、それを買う馬鹿 |
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東京都八王子市の「多摩ニュータウン」で、都住宅供給公社が最高7割引きで売り出した分譲マンション「ノナ由木坂」(総戸数252戸)の17戸の購入申し込みが4月25日に締め切られた。完成から11年間も売れ残っていた不人気物件だったが、今回最高7割引という大幅な値引きを行った結果、17戸平均の倍率は317.5倍、最高倍率の1013倍だった物件は4LDKで2181万円。完成時の価格は7037万円だったという。
このようなニュースを聞くと、オレはつくづく都住宅供給公社もその抽選に参加した人もどっちも馬鹿だと思うのだ。まず公社が付けた値段が安すぎるのである。金儲けの鉄則は、いかにものを高く売るかである。人気商品ならなおさら、買い手が欲しくなくなるぎりぎりのところまで値段をつり上げて売ればいいのである。少しくらい値段を上げてもどうしても欲しい人は買うだろう。たとえ数百万高くても、競争率が下がった方が本当に欲しい人にとってはありがたい。公社がどうせ大赤字だからといって、せっかくの儲かるチャンスまで放棄してどうするんだ。
買い手も馬鹿である。周りには同じ物件を数倍の価格でバブル期に買った人間が住んでいるのである。みんな高額の住宅ローンの支払いにあえいでいるのである。人間というのは基本的に嫉妬深い存在だ。そんな環境でまともに近所づきあいできるわけがないのである。旧住民は新住民を「貧乏人」だと思って見下してるだろうし(実際は住宅ローンに喘ぐ旧住民の方が貧乏なのだが)、新住民は旧住民を「高いときに買ったアホ」と思ってるだろう。ただ、この1000倍の抽選に参加した人たち、本当に住む目的で買ってるのだろうか。なかには転売目的で、数年後に買った値段に上乗せして売り飛ばそうと思ってるのじゃないだろうか。オレにはそんな気がしてならないのである。
週末に新聞に折り込まれるマンションの広告を見ると、まだまだ値段は下がりそうである。関西圏ではすでに供給過剰状態で、完成してからもなかなか完売しないマンションが多い。高額物件を交渉すれば業者はすぐに数百万単位の値引きを提示してくる。バブル期に分譲された物件は中古でどんどん市場に出回ってきている。たいてい当時の売値の半分以下である。それでも高すぎるからなかなか売れない。そのうち管理費が滞納され、不良物件になってしまうのである。新しい買い主は前の持ち主の滞納分までさかのぼって管理費を取られるんだぜ。ますます買えないじゃないか。
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