2004年04月22日(木) |
どっちの牛乳がおいしいんだ? |
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スーパー店頭に2種類の「おいしい牛乳」が並んでいる。2002年春に業界首位の明治乳業が発売した「明治おいしい牛乳」と、業界2位の森永乳業が発売した「森永のおいしい牛乳」である。同名なのだが「まねた、まねない」で問題化する気配はないという。両社とも「おいしい牛乳」の商標登録を見送ったためだ。
明治は、加熱殺菌前に生乳中の酸素を減らして酸化を防ぎ、特有のにおいを除いた自信作である。同社の牛乳製品としては初めてテレビCMを展開し、2004年3月期の売上高は牛乳事業の約2割、約350億円に達するヒット商品になった。「おいしい牛乳」が売れているという情報をキャッチしたオレは、2002年夏に安値を更新した直後だった明治乳業の株を310円で2万1000株買ってその2ヶ月後に390円で売り抜けて168万稼いだのである。別の意味でも「おいしい」牛乳だったのである。
一方、「森永のおいしい牛乳」は昨年秋から関西地区で先行発売し、3月30日から全国発売された。瞬間的に殺菌処理する製法でコクと甘みを実現したという。久保純子さんが「今度は私たちがおいしい牛乳の味をジャッジする番ですね」と語りかける意味深長なテレビCMを流している。さて、この両者はいったいどちらが「おいしい牛乳」なのか。
日本ソムリエ協会認定ソムリエの杉枝美枝さんはこのように語る。「森永のほうはファーストアタックが強くて、飲み込んだあとの風味がぷつっと切れる感じ。明治は口に含んだときは優しくて舌になじむ感じですが、飲み込んだあとに蘇ってくる牛乳の風味が大変すばらしい」うーん、この文章からはどうも明治の方が一歩リードしているという感覚だが、味の好みというのは個人差が大きいのでどちらとも言えないのである。
牛乳を大量に飲むオレは、これまで値段が安いということを選択の大きな理由にしていた。しかし、飲み比べてみると確かにうまい牛乳、まずい牛乳はあるのである。水を混ぜてるとしか思えないような薄い牛乳もあるし、季節によっても味は変わるのである。各社の牛乳を目隠しして飲み比べて銘柄を当てる「利き酒」ならぬ「利き牛乳」という企画をどこかのテレビ局にぜひやってもらいたいものである。
明治と森永、これまで栄養面でしか問題にされなかった牛乳に初めて「おいしい」という感覚を取り入れたふたつの商品は、牛乳嫌いも取り込んで新たな市場拡大の可能性を秘めているのである。
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