2004年03月16日(火) |
Qちゃんは日本陸上の宝である |
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オリンピックの華であるマラソンで金メダルを勝ち取った日本人は高橋尚子しかいない。ベルリンオリンピックの孫基禎(ソン・キ・ジョン)は当時日本の支配下だっ朝鮮半島の出身だからそれを除けば高橋尚子しかいないのである。日本の男子マラソン史上最高のランナーと言われた瀬古利彦もロサンゼルスでは惨敗したのだ。そして、過去にマラソンを連覇したのはエチオピアのアベベと、西側諸国がボイコットしたモスクワで漁夫の利を得た東ドイツのチェルピンスキー以外いない。人間機関車と言われたチェコのザトペックもメルボルン大会では六位と敗れ去ったのだ。それを考えると、やはり高橋尚子をアテネ五輪に出場させる必要があったのだ。少なくとも女子マラソンで連覇の可能性のあるランナーは世界に彼女ただ一人しかいないのだから。
マラソンの選手枠が三つあるのなら、さまざまな観点で三つの候補を選ぶべきだ。つまり、記録優先(実力)で一人、人気優先で一人、容姿で一人を選べばいいのである。メダルを狙うのは実力のある一人に任せて、他の二人のランナーは観客動員やマスコミへを盛り上げるために頑張ってもらえばよいのである。人気ならもうQちゃんしかいないのである。
今回選ばれた三人(坂本直子、土佐礼子、野口みずき)だが、失礼ながらどなたも人気や容姿で大きくアピールできる選手ではない。もしかしたらマラソンの当日に名前を忘れられているかも知れないのだ。事実これを書いているオレも、わざわざYAHOOニュースで名前の文字を確かめているくらいだ。明日になればきっと忘れてるだろう。
高橋尚子が昨年秋の東京国際女子マラソンで優勝できなかったのは、あの悪条件下でさえも好記録を期待され、オーバーペースで前半を飛ばさなければならなかったからである。何のプレッシャーもない他のランナーとは違ったのだ。勝つことを義務づけられるのがどれほどの重みであるかは天才にしかわからない。
考えたらもう31歳である。そろそろQちゃんを休ませてやって欲しい。もう走らなくてもいい。国民栄誉賞も手にした。CMにもたくさん出た。あの痩せ細ってあばら骨の浮き出たカラダを見るとオレはいたたまれない気持ちになるのだ。好きな天丼でもいっぱい喰って少しは肥ってもらいたいのだ。もはや五輪出場が叶わなくなった今、オレはそう思うのである。
アテネ五輪の女子マラソンが終わった時、優勝したランナーは誰でも思うだろう。「わたしは高橋尚子に勝ちたかった!」ディフェンディングチャンピオンのいない勝負なんて、本当につまらないのである。
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