2004年03月11日(木) |
盗まれるようなものを売る方が悪い |
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米ニュージャージ州の司法当局は3月8日、北米日産が乗用車「マキシマ」に搭載のヘッドライトが盗みの標的になっていると知りながら消費者に周知徹底していなかったのは州法違反として、損害賠償と罰金を求める訴訟を起こした。
アメリカで起こされるこの種の日系企業をターゲットにした言いがかり訴訟では、必ず企業側が負けるというのがアメリカの裁判のお約束である。盗みの標的になったのは2002〜2003年に発売されたマキシマに搭載されている、通常のライトに比べて1.5倍の明るさを持つキセノンヘッドランプで、ニュージャージ州だけで756件もの盗難が報告されている。自分たちがちゃんと仕事をしていないせいで治安が悪くなったのに、盗まれるのはそんなクルマを売ってる日産が悪いと司法当局は主張しているのである。
盗難に遭った消費者は一台あたり1800ドルの修理費用の出費を余儀なくされたとあるから、ただランプを盗むためだけなのに、かなり乱暴な方法でもぎ取っていったのだろう。悪いヤツはクルマを壊して盗んでいく連中であり、それ以外は誰にも落ち度はない。逆に防犯装置や警報装置が付いていたせいで、泥棒の怒りを招いてクルマがぶちこわされる恐れもあるのだ。
この米司法当局の馬鹿げた論理が通用するのなら、宝石や貴金属を盗まれた人は「泥棒に盗まれる可能性のあるモノを売りつけた」という理由で宝飾店を訴えることができるだろうし、肥満に悩む人は「デブになる可能性があるものを喰わせた」とマクド○ルドを訴えることができるのだ。盗みの罪で捕まった悪人が「こんな盗みやすいものを売った」と開き直る可能性だって否定できないのである。全くむちゃくちゃな国である。
日本政府が本気で日本企業の利益を守ろうとするなら、このような言いがかり裁判に対しては断固として抗議すべきである。日産も「こんな治安の悪い州では売れない!」と商品を引き上げればいいのである。日本車は消費者には圧倒的に支持されてるわけだから毅然とした態度をとればいい。
そんな情けない裁判を起こす国で、もっとも危険な「銃」という商品を作ってる企業が全くどこからも訴えられないのはなぜか。要するにアメリカの裁判はただの茶番であり、意図的に有利な結果を導くために選ばれた陪審員による八百長であるからだ。裁判とは本来正義の実現のために行うモノのはずだ。ただの日本叩きの道具として裁判を起こす連中と、何の抗議もできない腰抜け政治家を見るとなんともやりきれない気分になる。
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