2004年03月10日(水) |
アテネ五輪は本当に間に合うのか? |
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アテネ五輪会場の建設工事は本当に間に合うのだろうか。スペインの著名な建築家カラトラバ氏がデザインした主会場の屋根は、まだ支柱のアーチがあるだけだ。巨大な鋼鉄製のアーチで曲面ガラスを支える奇抜なデザインだけにまだ難工事が山積みである。アーチを移動する工事は細心の注意が要求されるし、移動中に強風に耐えられるかも疑問視されている。当初の完成予定は4月だったが、開幕1カ月半前の6月末に変更となった。
IOCのフェリ五輪統括部長は五輪スタジアムの屋根について「工事が間に合わない場合の代替案も考え始めている。ただ、今は信じるしかない。そもそも、屋根は必要不可欠ではなかったが、ギリシャが大会の遺産を残したいから計画した」と語っている。あきれたことに屋根など別になくてもいいと開き直っているのだ。
それだけではない。アテネ五輪のマラソンコースの工事を請け負う業者が資金難に陥り給与の支払いを2カ月凍結したため、それに怒った労働者が工事をボイコットする騒動も起きていたのである。100万ユーロ(1億3200万円)近くの未払い分が支給されない限り、ボイコットを続ける方針。一方、会社の負債総額は4千万ユーロ(約53億円)ともいわれ、政府は業者の変更も検討している。
マラトンの町からパナシナイコ競技場を結ぶコースは、1896年の第1回大会で使用された由緒あるマラソンコースだ。そのまま使用するには前半部分の道幅が狭いため、大規模な拡幅工事を行い、凸凹も目立つため、舗装もやり直している。昨年11月にはプレ大会を兼ねたアテネ・マラソンが片側一車線だけ使用して開かれたが、参加した日本の招待選手からも「舗装が古いところは路面が滑りやすくて危ない」と不満の声が出ていた。
路面電車や郊外鉄道の建設も遅れているのである。その上こんな間際になって政権交代が起きたりともうてんやわんやなのである。東京五輪に突貫工事で間に合わせた日本とギリシャではどうも時間の感覚が違いすぎるような気もするのだ。未完成の競技施設で選手たちは満足な成績も出せないかも知れない。そんなのんびりした国でオリンピックを開催することに同意したのはいったい誰だ。はじめから施設の十分に整った国でやればよかったのである。いっそのこと10カ所くらいの世界の大都市をぐるぐる回すようにすればいいじゃないか。ただ、その中に大阪は絶対に入れるなよ。あれは見に行くモノであって、自分の家の庭先でなんかやられたら混雑でたまったもんじゃないからなあ。
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