2004年03月07日(日) |
長崎に日本一マヌケな強盗がいました |
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都会と田舎、どちらが治安がいいかと訊かれたら多くの人が田舎と答えるだろう。しかし、実際は田舎の方が凶悪事件が起きやすいのである。それは人家がまばらに存在するため、大きな物音がしても隣家に気づかれることがないことや、過疎が進んで老人だけの世帯が増えていることがあげられる。強盗や空き巣に入る方からすれば、人目にもつかず抵抗される恐れも少ない田舎の方が圧倒的有利なのだ。
そんな田舎、長崎県北松浦郡世知原町でこの事件は起きた。西小五郎(34歳無職)は3月6日午前2時半ごろ、世知原町の無職女性(76歳)方に侵入し、女性にナイフを突きつけ「泥棒に来た。金を出せ」と脅迫した。
このマヌケな男は最初から大きな間違いを犯している。泥棒というのはこっそり品物を盗むのである。脅したり危害を加えればそれは強盗である。刑法上でも窃盗と強盗は区別されている。泥棒と宣言したから罰が軽くなるわけではないのだ。こいつは自分が何であるかもわかっていないバカである。ちゃんと「強盗だ!金を出せ」と言うべきだったのだ。
脅された女性は一人暮らしだったが機転を利かせ、二階に向かって大声で息子の名前を呼んだ。驚いた西容疑者は何も取らずに逃げた。あまりに動転していたので、彼はそこに自分のリュックを忘れてしまったのである。よほど大切なモノが中に入っていたのだろう。迷ったあげく約一時間半後に忘れたリュックを取りに戻ったところ、しっかり女性に見つかってしまった。
「泥棒!泥棒!」
と女性がそこで叫んだのかどうかはわからない。女性にしてみれば、逃げた強盗がまたやってきたのだから口封じに自分を殺そうとしているのかも知れず必死だ。一方この西容疑者には「忘れ物を取りに来た」というれっきとした訪問の理由がある。それを泥棒に間違えられるのは心外である。まだ何も盗んでいないのである。
彼は身の潔白を証明しようと自分で110番に通報した。本当のことを話せばきっとわかってもらえると思ったのだろうか。現場に急行した捜査員はすぐに西容疑者を逮捕し、結局、彼は犯行を自供した。驚いたことに女性はまだ警察には通報していなかったので、男が110番しなかったら捕まることはなかったのである。この世にはオレオレ詐欺のように電話一本で稼げる悪人もいれば、せっかくナイフ持参で強盗に入ったのに自分で通報して捕まる馬鹿もいる。こんなマヌケな強盗ばかりならもっと治安はよくなるのに。
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