江草 乗の言いたい放題
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2004年02月29日(日) 早く出荷しないと死んでしまうのである        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 京都府丹波町の養鶏採卵場「浅田農産船井農場」を経営する浅田肇会長は、日本養鶏協会の副会長で養鶏業界の指導的立場にある立派なお方なのである。今回の鳥インフルエンザ問題に関しても熱心に対策をお立てにならなければならないはずのお方なのだ。

 この船井農場では通常、日に100羽前後の鶏が死ぬそうである。ところが2月19日に京都府が立ち入り調査を行って「異常なし」の回答を得た翌日の20日からは急に死亡する鶏が増え、一日1000羽のペースで死に始めたという。農場ではエサや水を一時的に止める症状回復法をとったが効果はなく、24・25両日には合計5000羽が死に、あわてて獣医師に診せたところ診断は腸炎だったので府には届けなかった。26日にも3000羽が死んだ。28日までに死んだ鶏の合計は実に6万7500羽にのぼるとか。

 このままでは飼っている鶏が全滅してしまう。死ぬ前になんとかまだ生きている鶏を売ってしまおう……として、病気に気づいてから浅田会長は1万5000羽の鶏を生きたまま出荷していた。もちろん卵もずっと生産され続けた。生協にも納入されていたのである。大量死でまず疑わなければならないのは伝染病である。感染している可能性のある鶏を他に出荷すればたちまち被害は拡大する。日本養鶏協会副会長というお立場の方が、防疫意識のかけらもなかったことに対してオレは不謹慎だが笑ってしまうのである。いや、最低限の防疫意識はあったが、金儲け意識が勝っただけなのかも知れないが。それでもHIVウイルスに汚染された血液製剤を売りまくった連中に比べれば、対象が家畜であった分まだマシなのかも知れない。

 駆け込みで出荷された鶏が全部唐揚げなどにされて食われてしまい、病気で死んだ鶏は焼却して証拠隠滅できれば完全犯罪だったのだが、27日に「どうも大量の鶏が死んでいるらしい」という匿名のタレコミ電話があったために船井農場に調査が入り、大量死した鶏を簡易検査した結果、鳥インフルエンザ陽性反応が出てしまった。もうバレちゃったのである。おそらく日本のどこかで同じように死んだ鶏をせっせと埋めている養鶏場があるのだろう。こうなるとみんなが疑い始めるのである。

 浅田会長のしたことは、自分の農場の評判を落としただけではなく、日本中の養鶏業者の信用を失墜したまさに犯罪的行為である。謝罪どころではすまされない。ジジイ一人が謝ったところでインフルエンザが収まるものでもない。感染した鶏をせっせと出荷して被害を拡大させた以上、出荷先で焼却処分される大量の鶏の代金はすべて浅田会長に補償させるべきだ。京都府は現在船井農場で飼われている20万羽の他の鶏を自主処理することを浅田会長に求めているのだが、強制ではなくて「自主」なのは全額補償したくないからである。今一番大切なのは被害拡大を防ぐことでありゼニの問題ではない。そんなことがわかっていない馬鹿公務員がいることもこのような茶番が永久に繰り返される一つの理由なのである。


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