2004年02月11日(水) |
米国産牛肉は世界一安全です! |
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昨年12月下旬に米国で発見されたBSE(牛海綿状脳症)の感染経路などを調べていた米脳無症、いや農務省は疫学調査を完了したと発表した。感染牛とともにカナダの同じ農場から米国に輸入された80頭のうち、所在が確認できたのはたった28頭だけ。感染牛と同じ飼料を食べたと見られ、感染の可能性を否定できない「ハイリスク」牛25頭に限っても、11頭の行方が分かっていないという。その行方もわからないものに対して「危険はほとんどない」と主張できるのだから恐れ入った。農務省の検査官の方々はまさに神である。
そんな超能力者を備えたアメリカの危機管理態勢はまことにすばらしい。日本のようにいちいち全頭検査しなくても、全能の神にあらせられる検査官の方々が安全を保証してくださるわけである。もうこれは日本も輸入するしかないのである。疫学調査についても、「継続しても(われわれの貧弱な検査能力では)効果が期待できず、他のBSE対策に資源をまわすべきだ」と指摘している。いったいどんなBSE対策なのか興味が湧くのである。
米農務省のデヘイブン主任獣医官は2月9日の会見で「疫学調査は今日で完了した」と明言。新たにハイリスク牛を発見できる可能性は「現時点では非常に少ない」と述べた。確かにあの広い国土のどこに行ったかもわからないBSEの牛を、1000頭に一頭のずさんな検査で発見できる可能性はほとんどないだろう。ここはいったんアメリカに譲歩して輸入を許可してやろうじゃないか。何か付帯条件でもつけてやれよ。例えば「もしも二頭目のBSEが発見されたら日本に輸出した牛肉の代金は全部タダ!」とか。アメリカのずさんな検査態勢では見つかりっこないから喜んで応じてくれるぞ。
ただ、日本に牛肉をこんなにも輸出したがってるアメリカでは、実は日本産の牛肉は全面輸入禁止なんだ。何しろ日本ではもう9頭もBSEの牛が見つかっていて、そんな危険な国から肉は買えないということらしい。全頭検査していても、「日本のずさんな検査態勢はあてにならない」と禁輸の姿勢は変えてくれないので、それまで神戸牛や松阪牛を使っていたロスやニューヨークの日本料理店は、日本産の霜降り肉が手に入らなくて大弱りなんだぜ。輸出はしたいが輸入は拒否するというこのダブルスタンダードの態度は、戦争の巻き添えで他国民が何人死のうと全く気にしないが、自国の兵士に犠牲者が出ることを極端に恐れる点にも現れているなあ。こんな傲慢でわがままな、まるで幼稚園のガキなみの軍事大国とは、はっきり言ってつきあいたくねえんだけどな。コイズミくん、きみもなかなか大変だねえ。
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