2004年02月10日(火) |
新生銀行に群がるハイエナども |
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株式投資をしている友人から、2月19日に上場する新生銀行株を買わないかと持ちかけられた。短期間で売り出し価格の倍にはなるから確実に儲かるという。仮にそのとおりであるとしても、オレはそんな金儲けはしたくない。いや、良識ある日本男児は新生銀行株になど見向きもしないことをオレは願っているのだ。なぜ外資のボロ儲けをわざわざ手伝ってやらなければならないんだ。再生なんかさせずにあのとき日本長期信用銀行(長銀)のままつぶしてしまえばよかったんだぜ。なぜ延命させたんだ。すでに末期状態だったのに。
最終的に長銀の破たん処理には7兆8000億円の公的資金が投入され、うち5兆円規模が損失となる見込みである。5兆円のゼニがあればいったいどれだけのことができただろう。そのゼニをたとえば本四架橋や関西空港に出せばたちまち累積債務は解消して利用料金を下げることもできたのである。長銀にゼニを預けた金持ちどもを救うことと、いったいどちらが国民の利益につながったかは明らかだろう。
長銀の預金者の金持ちたちはこうして救われたが、豊田商事にゼニをだまし取られた老人たちに対して国家は何一つ補償しなかった。巨額の不正融資を行って経営を破綻させながら巨額の退職金をぼったくって逃げ出した長銀の役員ども(確か頭取の退職金は9億だったか・・・)と、老人を騙して大金を巻き上げた豊田商事の連中と、していることのレベルの薄汚さではほぼ同等である。たまたま日本の法律では豊田商事は有罪で長銀はお咎めなしとされたが、これが韓国やアメリカなら破綻金融機関の責任は厳しく追及されたはず。長銀役員どもは当分の間刑務所から出られなかっただろう。
銀行もつぶれることを国民に理解させるためにも、長銀は預金保険法の適用第一号にすればよかったのだ。経営陣はみんな責任をとらせて財産没収の上禁固刑にすべきだったのだ。おかげでバブル期に乱脈融資を行った金融機関の連中は全員が免罪されることになったのだ。
長銀株が予定通り1株525円で売り出されれば時価総額は約7100億円となり、普通株全株を所有する米投資会社リップルウッド・ホールディングス系の投資組合の投資額はわずか5年4カ月で約6倍に膨らみ、約6000億円の上場益を得ることになる。連中に一銭も儲けさせないためには、今の1/6以下の売り出し価格にしか応じないと言う姿勢を投資家たちが貫くしかない。しかし、実際のところ不良債権部分を切り捨てた優良銀行ということで新生銀行は投資家たちに大人気なのである。
株式投資はしょせんただのギャンブルかも知れない。そして、ゼニ儲けに徹しきれないオレはただの甘ちゃんかも知れない。それでも「渇しても盗泉の水は飲まず」というスタンスをオレは貫きたい。それがオレのささやかなプライドである。
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