2004年02月08日(日) |
道後温泉に塩素をぶち込む馬鹿 |
携帯用URL
| |
|
温泉ビジネスは簡単なのである。日本ではどこでも地面を1000メートルくらい掘れば勝手に温水が湧いてくる。そいつを使えば水道代もかからず、温度が足りなかったら加熱すればいいだけのこと。日本人はみんな温泉が好きだから勝手に人は集まる。ついでにカラオケBOXやレストランも併設してみんながそこで遊んでゼニを使ってくれるようにすればいい。こうした温泉リゾート施設はもう日本の至る所を埋め尽くしているのだ。
しかし、地下水は無尽蔵ではない。いつかは枯れる。いや、もう枯れ始めている。何百年もかけてしみこんだ雨水を一気にくみ上げているから当然だ。結局足りない分のお湯は循環させて何度も使うことになるわけだ。はっきり言って汚いのである。入浴客の中にはお湯の中にウンコやオシッコをする馬鹿もいて、そんな温泉はかえって健康に悪い。汚いだけならまだマシだが、そのオシッコ循環風呂で今度はレジオネラ菌が大量発生してなんと死者が出て、はじめてこの危険性が認識されるようになったのである。健康のために温泉に入って死ぬのだから全く馬鹿げた話だ。
だったら循環させずにどんどん新しい湯を使えばいいのだが、なんと塩素をぶち込んで殺菌してから使うというむちゃくちゃ安直な方法が対処法だった。厚生労働省も死者発生を受けて公衆浴場の衛生管理の強化に乗りだした。いちおう「消毒を原則とするものの、それができない特殊な場合は清掃や湯の入れ替えなどで衛生管理に万全を期してほしい」という通達を出した。しかし、これを受けた全国の馬鹿自治体の間では、循環風呂だけでなく天然に湧いた温泉まで消毒を義務付ける条例を制定する動きが広まった。愛媛県もその馬鹿自治体の一つで、なんとあの名湯・道後温泉の源泉に塩素をぶち込んでいるのである。
夏目漱石の名作「坊ちゃん」の舞台にもなった道後温泉本館の湯には昨年10月から改正された条例に従って大量の塩素がぶち込まれているらしい。日本の温泉文化のシンボルといわれる道後温泉本館の湯が塩素殺菌済みということは、もはやオレの家の風呂と同じで何の価値もないのである。塩素投入が始まった10月当時に「温泉が変わった」などの苦情を寄せた入浴客もいたが、入場者数は変わっていないという。
ところが長野県では「講習会の開催などで衛生管理に対する営業者の意識を高めることに重点を置いており、一律に消毒を義務付けるつもりはない」としている。さすが田中康夫知事のお膝元である。健康のために温泉に行くならやっぱり長野県、どんなに間違っても道後温泉に行ってはならないのである。ぶち込まれた塩素のせいでアトピー性皮膚炎などはかえって悪化する可能性だってあるのに「当温泉では消毒用の塩素をぶち込んでおりますからご注意ください」という利用者への警告は道後温泉本館のどこにも表示されていないらしい。まことにもって不親切なのである。
前の日記 後の日記