2004年01月31日(土) |
マンションは信用が第一なのである |
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どんな商品にもブランドがある。カシオの時計よりもローレックスの方がエラく、ダイエーの9800円スーツよりもダーバンの79800円の方がエラいのである。マンションの世界でブランドと言えばやはりライオンズマンションだ。大阪市内のマンション相場はここ数年暴落していて、80平米の3LDKが2500万以下で買えるようになったが、ライオンズマンションならまだ3500万はするのである。その価格差を人々は信用するのである。高い分、きっといい部屋なんだと思うわけだ。
ライオンズマンションを販売する大京のパンフには「実物はウソをつかない」「品質性能ism。ライオンズマンション」と書かれていたという。当然シックハウス症候群対策も万全と購入者は誰もが思うわけである。1998年以降の物件で対策がなされてないものは基本的に欠陥住宅なのだ。
大阪市北区のライオンズマンションに住む20世帯46人が1月29日、販売元の大京と施工業者、建材メーカーの三社を相手にリフォーム費用や慰謝料など総額3億600万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。測定の結果、ホルムアルデヒドは国の指針値の二倍の高濃度で検出されていたという。被害の詳細は『悪夢のスィート・ホーム』というページで克明に紹介されている。
さて、大京側は「当社に法的責任はない」と主張をしているわけだが、これからマンションを買うかも知れない一人として、オレはどうも納得できないのである。少なくとも自分のところが売った高額商品によって健康被害を受けた客が存在する以上、なんらかの誠意ある対応をとるのが企業としての道義的責任じゃないのか。商売とは信用が第一だ。リフォーム工事ですべての部屋の内装を張り替えて、結果が国の基準値以内に収まればいいのである。実に簡単な話じゃないか。
それとも、ここで負ければ他のマンションでも次々訴えられるとでも思ってるのだろうか。そこまで商品に自信がないのか?だったらますます情けない。ものを売るというビジネスは信用が第一である。マンションのような一生の買い物ならなおさらだ。今回の訴訟で明らかになったこの不誠実な対応を見る限り、「ライオンズマンションだけはやめよう」と買い手の人々は判断するわけである。オレもその一人なのである。巨額の負債を抱えて再建途上の大京にとって、ここを乗り切れるかどうかはまさに会社の浮沈に関わるのである。
それにしても被害を訴えた人と同じマンションの住人には「資産価値が下がるからやめろ」と文句をつけたヤツもいたとか。全く情けない話である。そんなヤツの隣にだけは住みたくないのである。
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