2004年01月26日(月) |
中学3年で体重24キロの少年 |
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こんなに豊かな日本でも、満足に食べ物も与えられずに餓死寸前にまで追い込まれる子どもがいる。大阪府岸和田市の自宅マンションで、中学3年の長男に約1年半にわたって食事をほとんど与えないなどの虐待を加え、意識不明に陥らせたとして、岸和田署は1月25日、殺人未遂容疑で父親の烏野康信(40歳)と同居中のその内縁の妻、川口奈津代(38歳)を逮捕した。
父親が衰弱死したと思い込んで救急車を呼び、長男は保護されたが、体重は24キロしかなく餓死寸前で、現在も低血糖症による意識不明が続いている。救急隊員には「拒食症で数日前から食べていない」と答えたとか。そこまで衰弱したらおそらく自分から食べることもできなかっただろう。
兄弟に対する虐待が始まったのは2002年6月ごろ。二男(14)とともに殴られ、蹴られた。食事は1週間に1回、「水を飲むだけで怒られた」と助かった弟は語っている。2人は学校に姿を見せなくなった。家庭訪問した学校関係者は川口容疑者から「いじめに遭っていて行けない」と面会を拒まれたという。実際は虐待の事実を知られるのを恐れて担任教師には会わせなかったのである。
二男は同年6月実母(35歳)のもとへ逃げ出したのだが長男は逃げなかった。「恐怖心を植え付けられ、逃げる意思さえ奪われたのだろう」と捜査幹部は推測している。長男は衰弱し、同年8月ごろから食べ物をもらえなくなり、ブルーシートの上に寝かされて排せつも垂れ流し状態で放置されたという。その状態で一年以上の長い期間、少年は苦しみに耐え生き伸びたのである。昨年11月2日、目と口を開いたまま動かなくなったため死んだと思われ、病院に搬送した救急隊員が同署に通報して事件は明らかになった。学校関係者も児童相談所も、虐待の可能性を感じながらも家の中まで介入できなかったのは、逮捕されたあの父親の凶悪そうな人相を見れば想像できる。そして、密室で行われていた惨劇を家族以外の誰もが知ることはできなかったのである。
ただ、逃げ出した弟はなぜ自分の兄が殺されかかっていたことを訴えなかったのか疑問が残る。警察に駆け込んで「兄を助けてください」と言えばよかったのに。この家には川口容疑者の連れ子(15歳)も同居していたという。目の前で殺されかかっている少年を見ていったい何を感じていたのだろうか?あるいは積極的に虐待に参加したのだろうか。異常な家族の行動はオレのような常識人には想像もつかないのである。これで長男に保険金でも掛けられていればこの腐った親たちは地獄に堕ちてもらうしかない。
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