2004年01月25日(日) |
ニュージランドのゾウと中国のサル |
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ニュージーランドのオークランド動物園で1月23日朝、メスのゾウが園外に脱走し、約30分後に連れ戻されるという騒ぎがあった。
このゾウは電気の通ったさくの中で飼われていたが、さくに丸太を投げ落として回路を切断し、自由の身となってから動物園の門を壊し、ノシノシと街に向かって散歩を始めたという。しかし、調教師のなだめでその散歩をあきらめて30分後にはおとなしく園に戻ったそうだ。なんとも礼儀正しいゾウである。もっともタイで飼われてるゾウは人間を乗せて信号を守るそうだから、ゾウにとってこの程度のことは朝飯前なのかも知れない。
いつも狭いさくの中に閉じこめられていればストレスが貯まるだろう。動物園側は「今後はきっちり監視したい」と市民に迷惑を掛けたことをお詫びするコメントをしている。オレがそのゾウなら今度はさくの上じゃなくて丸太を園の管理室にでも投げ落としてやるぜ。
中国遼寧省瀋陽市の動物園では22日からの春節(旧正月)休みに合わせて、観客にサービスするために動物たちをカラフルに染め上げたという。干支(えと)のサルは麻酔で眠らされてるうちに金、赤、緑など6色に染められたとか。目覚めたサルたちは不思議そうに体毛をなめて、懸命に色を落とそうとしていたという。また、動物園の入り口にはシマウマに似せて染められたモンゴルウマがつながれていたが、胴体のシマ模様が本物よりも単純だったので「ニセモノ」とすぐに見破られとか。瀋陽の地元紙「瀋陽今報」は、「染色剤は化学薬品であり、動物がなめて体に入れば健康にいいはずがない」と指摘して抗議し、動物園幹部は「面白さを増すためやっただけ」と釈明しているという。面白さが必要ならあんたたちが全裸になって身体を金銀に着色すればいいのである。
ニュージランドの事件も中国の事件も、人間が動物を愛玩物程度にしか認識していないことの表れである。20世紀になってからも多くの動物が絶滅していった。動物園を作ってそこに囲い込んで絶滅から保護することは、彼らから自然の豊かな環境を奪ったことの免罪符にはならない。保護するなら自然の中でこそ保護すべきである。
この世で人間だけが他の種を絶滅させるだけの力を持ってるのである。これはそのまま今の国際状況にあてはまる。ある特定の国家だけが他の国を地上から完全に消滅させるだけの力を持っているのである。その力を放置していていいのだろうか。なにしろその国は年間に銃で撃たれて3万人が死んでいる無法国家なのである。こんな国にまともな指導者がいるわけがないのである。
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