2003年11月26日(水) |
間違いだらけのラーメン屋選び |
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尾道と言えばやはり林芙美子の放浪記であり、大林宣彦監督の尾道三部作であると思っていたが、今は尾道と言えば誰もが尾道ラーメンを連想するらしい。小説も読まず映画もろくに知らない無教養な連中はこれだから困るぜと言いたいのだが、これも尾道ラーメン、和歌山ラーメン、喜多方ラーメン・・・と日本全国のご当地ラーメンがブームとなっているおかげ、今やラーメンは観光客を集めるためのもっとも有効な手段なのである。
30年前にはメジャーなものは札幌ラーメンしかなかったわけで、東京から喜多方までわざわざ数時間掛けて喰いに行く連中までいることを思えば数百億かけてわけのわからない美術館や博物館を建てるよりははるかに効果は大きいと言える。
このラーメン屋につきものなのが行列である。今ここに二軒のラーメン屋が存在するとして、初めて来た客がどちらの店に入るかを選択する場合、流行っている店を迷わず選ぶだろう。うまい店に客が多く入るというのは普遍的真理だからだ。かくして行列のできている店にはますます客が入り、そうでない店はますます寂れるのである。
なぜ流行っていないのか?をわざわざ検証してみようとするオレのようなひねくれ者は極少数派であり、たいていの人間は目の前の行列を最大の価値判断の基準に置くのである。逆に言えばそこに大きな落とし穴がある。つまり、まずい店であっても行列を最大の広告塔にすることで集客効果を発生させることができるのだ。
この典型的な例としては昔、大阪のある有名な回転寿司屋はろくなネタが流れてこないという極悪非道な方法で客の回転を悪くして長蛇の列を発生させていたことがある。一度行ってひどい目に遭ったオレは知る限りの友人にその店の悪口を言いまくってついには閉店に追い込んでやった。食い物の恨みは恐ろしいのである。
アルバイトの学生に行列のサクラをやらせるという方法で一時的に集客に成功しても、その客をリピーターにするためにはやはりうまいものを出さないとだめで、いくら世間に味音痴のバカが多いといってもいつまでもだまし通せるわけではない。まずい店に正義の鉄槌を与えるオレのような迷惑な客が一人でもいれば、真実はたちまち世間に公表されてしまうのである。なんばパークスにできたなにわ麺パーク、いつ行っても超満員でまだ一度も喰えていないのである。まだオレには検証の機会が与えられていないのである。オレのような迷惑な客は永遠に来ない方がある意味店にとっての幸せなんだが。
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