2003年11月09日(日) |
偽ブランド品を売るのは罪か? |
携帯用URL
| |
|
JR大阪環状線・鶴橋駅の周辺には、偽高級ブランド品を売る店が約40軒集中して存在する。わざわざそこを訪問するために遠方からやってくる人もいて、休日は大勢の人で賑わっているのである。
さて、偽ブランド品が問題になる理由というのは、粗悪なニセ商品が出回ることで本物の信用が失墜することと、ニセモノがかわりに売れて本物が享受すべき利益が失われることの2つである。この結果いったい誰が困るのだろうか。もちろんホンモノの製造元は利益が失われるので最大の被害者であることは間違いない。では一般の人々にはどんな影響があるのだろうか。
生まれてこの方ホンモノしか知らなかったブルジョワな人々にとっては、正規代理店以外で買うことはありえないわけで、どこかでニセモノが売られていたとしてもなんの影響もない。また、20年前のカシオの時計やユニクロで買った1900円のバッグを愛用するオレのようなブランド品に全く興味がない人間にとっても、目の前のモノがホンモノであるかニセモノであるかそんなことは全くどうでもいいことなのである。
おそらく製造元以外でこのことに一番腹を立てている人というのは、貧乏人の分際でありながら高いゼニを支払って無理してホンモノのブランド品を手に入れた方々なのである。育ちも悪く教養もなく、高価なモノを身につけるにふさわしいマナーもセンスもない、容姿もスタイルも最悪、唯一誇れるのはブランド品を持ってることだけという悲しい連中の怒りはすさまじいのである。今すぐにでもその偽ブランド街を焼き討ちしそうなぐらいなのである。
実はオレも野次馬根性を出してその偽高級ブランド店を覗いたことがあるのだが、さりげなく1万円のローレックスがあったりする。見栄っ張りの人にはなかなか強力なアイテムなのである。しかし、どう考えてもローレックスが1万円で売ってるわけがない。つまり、そこで買う人は「ニセモノとわかってわざとニセモノを買う」という納得ずくの方々なのである。店も「これはニセモノです」と正直に暴露してニセモノを売ってるわけで、ニセモノをごまかして高く販売し不当な利益を得ているわけでもないのである。それら偽ブランド品はいわばよくできたオモチャのような存在である。
「ルイ・ヴィトン」の本社法人はこの事実を重く見て、鶴橋の約10店に違法営業をやめるよう警告文を送っており、大阪府警も是正を勧告したが、店舗の大半は、警告を事実上無視しているという。彼らのいかにも関西人らしい弁明はこうだ。
「ワテら、ニセモノをホンモノやてごまかしておまへんで。ニセモノをニセモノや言うて売ってて、どこが悪いっちゅうねん!」
前の日記 後の日記