2003年11月08日(土) |
借金の正しい踏み倒し方教えます |
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オレはものすごく後悔していることが一つある。それは大学生の時に日本育英会の奨学金を受けなかったことである。不真面目な学生だったオレは「仕送りでは生活費に足りない」ということを大義名分にさまざまなアルバイトをしていた。そのせいで本来の目的である勉学が十分にできなかったことは事実である。あの時にバイトなどしなくてもいいほどの豊富なゼニがあったなら、オレはもっと本を読み勉学に打ち込み、少なくともここで暴言を吐いてるようなオッサンにはならなかったと思うのである。(もっとゼニがあればさらに遊びまくっていたという可能性もあるが・・・)
さて、なぜ奨学金をもらわなかったのか、それは「借りたモノは返さないといけない」と当時は殊勝にも思っていたからである。卒業してから研究所に勤めたり教員になれば、育英会の奨学金は合法的に踏み倒せるということは知っていたが、まさか自分がそういうお堅い職業につくことなど大学に入学したばかりのオレは想像もしていなかったのである。
大企業が借金を踏み倒し、破産者が巷に溢れる「借りた金を返さなくてもよい時代」が到来した今、育英会の奨学金を借りたのに返さずに滞納している人間が多数存在し、滞納者への全貸与金は総額1562億円、一人あたりの滞納金額を仮に200万円とすれば、7万8000人が滞納しているという。会計検査院が調査したところ、そのうち最低でも444億円が回収不能になることが分かった。
そのありがたいゼニのおかげで高校や大学に通うことができたのだとすれば、きちっと返すのは人間として当然のことだ。さらにオレが腹が立つのは破産したという理由で奨学金を返さないヤツが居ることだ。オレは奨学金と人を殺した賠償金の二つは絶対に破産を理由に免責すべきではないと思っている。最近の弁護士の中には賠償金を払ってる人殺しに向かって、「破産したら払わなくてもいいですよ」と勧めるヤツもいるとか。(頼むから死んでくれ)
育英会は2年前から法的措置の対象を滞納8年から1年へと厳格化した(遅すぎる!)のだが、実際に裁判所に申し立てて給与などを差し押さえたのは数件にとどまり、連帯保証人への法的措置は取っていないという。がんばって債権回収するという意欲など育英会にはほとんどないのである。世の中にはこんなありがたい金貸しもいたのである。
借金苦から自殺する人も大勢いる。最初から返せないことがわかってるのならば、ヤクザまがいの怪しい金貸しではなく、このような心優しい人たちから借りればよかったのである。そうすれば安心して踏み倒せたのである。死ななくても済んだのである。でももう遅いのである。
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