2003年11月02日(日) |
働かずに大金を手に入れる方法 |
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日本シリーズが終わったプロ野球の世界は、FAの話題で持ちきりである。長期間プロ野球の世界で活躍した選手に、好きな球団を新たに選ぶチャンスを与えるというこの仕組み、実際のところはあまり効果を上げているとはいえない。その理由は二つある。
一番目の理由はやはり、FA取得までの期間が長いため、大学卒の選手の場合などはとっくに旬を過ぎてしまっていることも多いということだ。
もう一つの理由はいわゆるFA詐欺である。これはどういうことかというと、故障してもう活躍できなくなった選手が、自分の故障を知らない球団に自分を高く売りつける手段としてFAを悪用するという行為である。昔、オリックスでFA宣言した山沖という投手がいた。彼は阪神に入団したが、肩が痛いという理由で登板せずそのまま活躍せずに退団した。この時にオレはまだこう思っていた。
「ちゃんと調査してない阪神球団がアホやったんや」
しかし、ヤクルトでFA宣言し、3年6億という条件で中日入りした川崎憲二郎投手が、一度も一軍で登板しないまま3年経過し、4年目は当然解雇されるところが30%減の1億4000万で再契約というニュースを知ってオレの疑惑はほぼ確信に変わったのである。これはFA詐欺なんだと。そして、カネのために自分の野球人としての名誉を簡単に捨てられることにオレはあきれたのである。全く働かなかった以上、少なくとも2年目以降の分は返上すべきじゃなかったのかと。
野球選手の人生は現役を引退してからが長い。コーチや監督、解説者として野球界に残れる人はほんの一握りである。川崎憲二郎投手は6億(+1億4000万)というカネと引き換えに自らの名誉を捨て、野球界で生きる道を閉ざしたのである。このFA詐欺選手をいったいどの球団がコーチや監督として迎えるだろうか?沢村賞を受賞し、巨人キラーとして活躍した彼の輝かしい球歴は、彼自身の手によって葬られたのである。
報酬は常に労働の対価であるべきだ。働かずして報酬を得た者は必ず運命の神に手痛い復讐を受ける。今季限りでユニフォームを脱ぐことになった伊藤智仁投手の最後の年俸は約1000万、最後まで復活の夢をあきらめなかった彼は、カネよりも「野球が出来ること」にこだわり続けたのである。ヤクルトファンの記憶の中に永遠に生き続けるのはどちらか、オレがわざわざ書くまでもないだろう。
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