2003年09月06日(土) |
ナマ乳揉みは医師の権利である! |
携帯用URL
| |
|
欧米では乳がんを発見するにはマンモグラフィーと呼ばれる乳房専用のX線撮影装置による検診が主流である。ところが日本での普及率は5割程度で、欧米に大きく遅れをとっており、医師によるばらつきが激しい視触診だけに頼るためにガンが見つかったときは手遅れになっている場合も多い。
なぜ日本ではマンモグラフィーが普及しないのだろうか。財政的な理由がまず挙げられる。搭載した検診車は一台5〜6千万もするからだ。またせっかくX線写真を撮っても読影の専門家が少ない。資格を持つ医師が極めて少ない状況の中で機材だけを導入しても意味がない。
しかし、それだけではないのである。患者の立場からみればあまりにもアホらしくて許せないような事情で、導入が進んでいないのである。それは、乳ガン視触診のプロである乳腺専門医、触って揉んだだけで乳ガンを診断できる乳揉み医師たちが自分たちの既得権を手放さないからである。彼らの中にはもはや耄碌した高齢の医師も多く、視力も衰えていてこれからマンモグラフィーの読影の技術を身につけることは無理である。その彼らにとって、長年かけて鍛えたゴットハンドを用いた乳房の触診という技を駆使できる乳ガン検診という大きな収入源を失いたくないのである。
そのゴッドハンドが本当に100%の威力を発揮してくれるのならいい。実際はかなりずさんなのである。女性が自分の乳房のしこりに気づいて視触診を受けたが「異常なし」の診断が下り、気になって検診センターでX線写真を撮ってもらったらはっきりわかる乳がんだったということが頻発しているのである。今年から新たにX線撮影を導入した地域の検診で乳がんが見つかった人の6〜7割が、その前年に視触診のみの検診を受けて異常なしだったとか。
住民の健康を第一に考えたある町が検診センターの集団検診を導入しようとしたところ、それを知った地元医師会から町役場に電話があった。「今後、医師会は学校の健康診断を請け負いませんよ」と圧力をかけてきたため、町は泣く泣く集団検診をあきらめたという。時代遅れの乳揉み検診を守るためには患者の健康や生命なんてどうでもいいのである。医師の収入や既得権ほど大切なモノはないのである。全く腹が立つのである。
前の日記 後の日記