2003年08月27日(水) |
ベッドに押しつぶされた男 |
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実はオレは昨年の春に手術を受けている。麻酔から醒めてしばらくは手術をした下腹部の感覚がなくて身体が動かせなかったのだが、それでもいきなり昼食がはこばれてきてびっくりしたのである。手術が終わったばかりでそれどころじゃないだろうと思ったが、美味しかったので結局はきれいに食べてしまったのである。その時に大いに役立ったのが、リモコンスイッチの操作でベッドを起こしたりできるパラマウントベッドであった。世の中にはこんなに便利なものがあったのかと、そのときはつくづく思ったのである。
身動きできない状態だったオレが、スイッチ一つでベッドの頭の部分を持ち上げることによって身体を起こして、座った姿勢でメシを食い、テレビを見ることができたのである。ただ、この便利なパラマウントベッドの電動スイッチが勝手に動いたらそりゃ怖い。やはり自分の希望する時に動かしたいものである。ついでにいうなら、腰のあたりが上下に振動してマッサージしてくれる機能もぜひ搭載して欲しいと思ってる。世の中にはその振動をよからぬことに用いる連中もきっといると思うが。
さて、この勝手にベッドが動くということで事故が起きていたのである。スイッチに不具合があって、繰り返し押すと手の分泌物などがボタン内部に浸透することで誤作動が起きるという。パラマウントベッド社は2000年8月にこの誤作動の原因を特定していたが、負傷者が出るまで回収せずに放置し、今回事故が起きたということであわてて自主回収を始めたそうである。負傷者は腰やひざの骨を折る重傷だとか。どのような動きで骨折したのか想像しにくいのだが、骨折というのはよほどのことだったのだろう。
ベッドが動くということでオレのような人間が想像するのはやはりラブホテルの回転ベッドである。もっともオレは一度も実際にそいつを目撃したことも使用したこともない。映画探偵物語で松田優作が薬師丸ひろ子と一緒に入ったラブホテルの部屋に回転ベッドがあったシーンでしか知らないのである。そんなものがどこかにまだ存在するのだろうか。消滅してしまった理由は、誤作動で突然回り出したりして事故を引き起こしていたせいかも知れない。そんな場所でケガするのはやっぱり恥ずかしいぜ。
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