2003年08月17日(日) |
猛暑のためフランスで死者3000人 |
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人は寒さと暑さ、どちらに対して耐えることができるのだろうか。少なくとも寒さの方が人を死に至らしめる可能性は高いとオレは断言する。冬の夜に真っ裸で戸外に放り出されれば、それが東京や大阪であっても十分に凍死の可能性はあるのだ。ところが夏の暑さにはある程度耐えることが可能だ。たとえクーラーがなくても、ハダカになって扇風機の風を受ければそれなりに涼しさは手に入るモノである。
今でこそ公立学校にもクーラーが設置されるようになったが、教室のほとんどは夏になると耐え難い暑さで、ノートは汗でびしょびしょに濡れて字が書けず、勉強どころではないというのが一昔前の状況だった。暑い京都で学生生活を送ったオレが、生活にもっとも必要な電化製品だと思ったのはクーラーである。ボロアパートの窓にエアコンを取り付けたオレは、そこから吹き出す冷気に極楽浄土の気分を味わったモノである。しかし、たいていの貧乏学生はクーラーなどとは無縁の生活で、扇風機で夏の暑さに耐えているというのが普通だった。あの京都の暑さの中で多くの学生は苦しんでいただが、もちろん死者続出なんてことはなかったのだ。
オレは大学3回生の夏に北海道に旅行した。その夏の北海道は異常高温ということで、北見市では38度を記録したくらいである。サロマ湖ユースホステルのベッドルームには網戸もなく、直射日光でまるで温室のようになっていた。喫茶店に入っても扇風機しかなく、レンタカーを借りてもエアコンなど付いていないのが北海道の常識だった。だがそこでも人間やヒグマの死者続出というニュースは聞かなかった。
さて、フランスを襲った猛暑のために、老人を中心として3000人の死者が出たと15日付けのフランス紙ルモンドは報じている。14日付けのパリジャン紙はパリ首都圏だけで少なくとも2000人が死亡したとの推計を伝えた。亡くなられた方には本当にお気の毒に思うが、暑さだけでどうしてこれほどの死者が・・・と素朴な疑問を感じる。フランス人の肉体というのはそれほど暑さに対して脆弱なものなのだろうか。それともこれが人類として普通であり、暑さの中でもたいした被害が出ない日本民族の肉体はきわめて暑さ寒さに対して鈍感ということなのだろうか。面の皮が厚い日本人の一人として、大いに恥ずかしいのである。
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