2003年06月21日(土) |
将軍様、シャブをください! |
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おいらは萩ノ茶屋の路上でシャブを売ってるしがない売人さ。通りかかるドライバーに指でサインを送って客を捜すんだ。でも最近品薄で困ってるんだ。理由?万景峰号がいつも運んできてくれる分が突然打ち切られたからなんだよ。おかげで仕入れ値が倍に値上がりしてるんだ。一見さんに売るんなら多少高くてもいいし、混ぜものしたって売るときにバレなきゃそれでいい。でも、なじみの客から回してくれと頼まれるとつらいね。これまでずっと買ってくれたいいお客さんなんだから断るわけにもいかないし、かといって同じ値段で売ったら自腹を切らないといけない。説明して頭を下げてやっと納得してもらえるんだけど、早く騒ぎが収まって前みたいに密輸がフリーパスになってくれねえと商売あがったりだぜ。
ただ、おいらみたいな末端の売人よりも、商品を確保しないといけねえ親分衆の方が苦労は多いかもなぁ。おいらみたいにグラム単位で扱う値段に比べりゃずっとお買い得だけど、キロ単位で扱う親分衆は何百万単位の話だからよォ。キロ2000万円なんて吹っ掛けてくる阿漕な親分もいて、どれだけシャブを確保できるかイコール資金力って時代だもんな。でもこんなに商売がやりにくくなって、売り物自体が手に入らなくなったら、おいらも商売替えしないといけねえかな。
実はコピーソフト屋でもやろうかなと思ってるんだ。日本橋界隈を歩いてたら、閉まってるシャッターの前で露店でCDRを並べて売ってるのがあるだろ。あれだよ。あんな原価30円もしない円盤が一枚1万円近くでじゃかすか売れて行くじゃねえか。けっこうおいしい商売に見えるけどなぁ。最近はガキどももけっこうゼニ持ってるし、ゲームのCDを並べたらそこそこ売れるんじゃねえかな。
けれどやっぱりシャブは一番もうかるよ。この携帯電話のメモリーになじみ客の番号が100件以上登録されてるんだ。これがおいらの一番の財産さ。こいつを買うのに闇金融から100万円借りたくらいだぜ。客なんて探さなくても向こうからいくらでもこの電話に掛かってくるんだ。商品さえ手に入ればいくらでも儲かるという寸法だ。将軍様、後生だぁ。純度の高いシャブを譲ってくだせえ。お礼に将軍様の好きな円やドル札をしこたま差し上げますんで。
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