オレはいつものようにCDから流れる音楽を楽しみながらクルマを走らせていた。安全運転のために周囲のクルマの動きに気を配りつつ、流れに乗ってあびこ筋を南下していたのだ。阿倍野区役所をすぎたあたりの信号にひっかった時に、何気なくオレは左側に停まった白いモビリオの方を眺めた。そのときオレはとんでもないものを見てしまったのだ。
その白いモビリオを運転していたのは上原多香子似の女性だった。クルマを運転している時の女性の仕種というのはおよそ男性には見せられないモノが多い。初心者マークをつけてるくせにくわえタバコしかも携帯電話で話し中という外道もいる。頼むから死んでくれ
しかし、オレが遭遇したモノははるかにこれまでのオレの常識を凌駕するものであった。なんとその美女は、鼻くそをほじっていたのである。指をずっぽり鼻の穴に突っ込んで・・・・ しかも驚くべきことは、彼女は通常鼻くそほじりに用いられる小指ではなく、人差し指を突っ込んでいたのである。オレの1.5の視力はその光景をはっきりととらえたのだ。
なぜ人差し指が鼻の穴にずっぽり入るのだろうか。それには二つの理由が考えられる。一つ目の理由は、彼女の鼻の穴が異常に大きく、常人の倍くらいの直径があるということである。そんな鼻の穴のでかい女にはこれまで一度も会ったことはないが、考えられないことではない。握り拳がずっぽり入るほど大きな口の持ち主だっているのである。大きな鼻の穴だってあっていい。もう一つの理由は、彼女が異常に細い指の持ち主であり、人差し指も他の人の小指くらいの太さしかなく、鼻の穴にずっぽり突っ込むことが可能であるということである。どちらの理由だろうか。
確かめたければクルマが停まるまで尾行し、降りてきた彼女を呼び止めて指を見せてもらえば確認可能だった。しかし、そんな期待は見事に裏切られ渋滞に巻き込まれてしまったオレはとうとう白いモビリオを見失ってしまったのだった。あきらめたオレはクルマの中で試しに人差し指を鼻の穴に突っ込んでみた。全く入らなかった。指が太すぎるのか、穴が小さすぎるのか。オレがさっき見た光景は幻だったのだろうか。もしも鼻の穴に人差し指がずっぽり入る人が他にもいるのなら、ぜひオレに名乗り出てくれ。
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