2003年03月29日(土) |
きみはフクロウのエサを知ってるか? |
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山陰地方を旅行した。泊まったホテルの朝食のみそ汁に入っていたのは特産のシジミだったし、ぶらりと入った松江ラーメンの店では宍道湖のシジミで出汁を取ったと書かれていた。早朝の宍道湖には漁をする多くの船が浮かんでいた。太古の昔からこの地に暮らす人々は湖の恵みに感謝しながら暮らしてきたのだろう。
そんな大切な湖を、干拓工事で破滅させようとした、およそ郷土愛のかけらもないお方が一人いる。五期20年の長期政権の中で長年に渡って中海・宍道湖の干拓を強固に推進していた島根県知事澄田信義氏である。批判を浴びてしぶしぶ干拓事業を中止し、しっぽを巻いて政界を引退するのかと思ったら、なんと知事選挙のポスターを掲示していた。まだまだ政界引退は早いと思ってるのだろう。自分が推進している島根原発の増設にしても、うまみがあるのはこれからである。建設に伴って地元にばらまかれる地元対策費は一説によると1000億以上と言われ、原発建設費の2割を占めるわけだが、それだけの利権をどこの馬の骨ともわからぬ他の野郎に任せるわけにはいかないというのが本音だろう。
せっかくこんな遠くまで来たので、見たくもないポスターを見ただけではなくちゃんと観光もした。宍道湖の北岸にある「松江フォーゲルパーク」という花と鳥のテーマパークに立ち寄った。ハリポタ人気でブームになったフクロウがたくさんいて、そのフクロウの飛行ショーがこの施設の目玉なんだが、オレは飼育係の女性が、観客にわからないように隠しながらフクロウに与えていたエサが、実は血まみれのヒヨコであったことに衝撃を受けていた。もっとも猛禽類であり肉食であるフクロウがヒヨコを食べていてもちっともおかしくないのである。館内には金正日将軍様の花であるベゴニアが大量に展示され、天井からは無数の鉢が吊されそこから花が垂れ下がり、その美しさに大いに圧倒されたのであった。しかし、なぜ宍道湖でフクロウやベゴニアなのか、その理由はちっともわからないのであった。
意味不明のテーマパークを建設し、不要な公共事業で税金を湖に捨て、小泉八雲が愛した土地をこんな悪趣味な空間にしやがった馬鹿はいったい誰なんだ? 澄田信義さんよ、知っていたらオレにぜひ教えてくれ。
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