2003年01月02日(木) |
なぜ紅白歌合戦はつまらないのか |
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毎年大晦日にある恒例の「紅白歌合戦」はなぜこんなにつまらなくなってしまったのだろうか。レコード大賞が権威を失ったことと歩調を合わせるように紅白の人気は低下していった。その凋落の第一歩は、弟がヤクザであるというつまらない理由で美空ひばりを出場させなかったことにはじまる。そんなことが歌に何か関係あるのか?芸能界というのは元々ヤクザと縁の深い業界だ。NHKだけがいい子ぶっても仕方がないだろう。
美空ひばりが戦後最高のスターであることは誰もが認めるはずだ。最近テレビで駆け出しの演歌歌手が美空ひばりの「川の流れのように」を歌ってるのを聴いてびっくりした。そんな畏れ多いことがよくもできるものだ。いつからてめえはそんなに偉くなったんだ。でかいのは顔と体だけで十分だぜ。歌ってて恥ずかしくないのか。風格が全然違うだろ!
美空ひばりを失った後の紅白は、よく言えばベテラン、悪く言えば全然売れてない昔の名前で喰ってる連中を出し続けた。フランク永井とか青江美奈とか、年に一度紅白でしかお目にかかれない歌手たちが出続け、更なる視聴者離れを招いた。そこであわてて実際に曲が売れている大物歌手に出演を交渉したら、今度はすげなく断られ、ますます番組のレベルを落とした。「紅白に出られる」ということはすでに歌手のステイタスではなくなっていたのだ。
その一方でレコード大賞もイカサマぶりを発揮していた。その最たるものは1977年の最優秀歌唱賞である。候補となった石川さゆりの「津軽海峡冬景色」山口百恵の「秋桜」、どちらも今に歌い継がれる名曲だが、なぜか最優秀歌唱賞は八代亜紀の「愛の終着駅」であった。その曲を歌える人は百人に一人もないだろう。受賞者が決まった瞬間の、石川さゆりのあっけにとられた表情をオレは今でも覚えている。ウラでいったいどんな取引があったんだ。ファンを馬鹿にしやがって。
CDが売れないのはなぜか。ズバリ「いい曲がない」ただそれだけのことである。同じような歌詞、同じようなメロディラインの演歌を粗製濫造してレベルを下げ、その一方で小室哲哉やつんくの寡占状態を容認してますます「同じような曲の洪水」を招いてきたのである。どんな曲が流行ったのか、みんな一、二年で忘れてしまうような曲ばかりなのである。心が揺り動かされるような曲に出会えないのは不幸なことである。
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