2002年12月28日(土) |
マイノリティー・レポート |
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『マイノリティー・レポート』という映画が今、公開されている。近未来SFといった内容で、犯罪予防局という機関が設置され、殺人事件が起きることを予知して現場に急行し、殺人をしようとしていた人を「未来殺人罪」という罪名で逮捕するといった内容である。その結果、殺人事件の発生件数はゼロになったという。
極端な話、犯罪を起こす可能性のある人をすべて拘禁してしまえば確かに犯罪は減少するだろう。もっともそうなると全人口の10%くらいが刑務所に入れられるという異常な状況に陥ってしまいそうだが。
お隣の韓国では日本の住基ネットをもっと発展させたものがとっくに導入され、国民はそこに指紋まで登録されている。まあ女性の一割が美容整形するという国だから、個人を特定するデータは指紋しかないのだが。指紋登録は日本でもやるべきと思うのだが、日本には「犯罪を起こしても捕まらない権利」という間違ったものまで保証されているからどうしようもない。たかが住基ネットであの騒ぎだ。
では、「侵略戦争を起こしそうな国」への先制攻撃は許されるのか。イラクや北朝鮮という国を消滅させれば、世界は戦争の恐怖から逃れられるのか? 犯罪をする連中にそれなりの動機があるように、戦争にも動機が必要だ。かつて日本が満州事変を起こした時のことを考えればよくわかる。果たしてイラクには戦争の動機が存在するだろうか?仮にあの国が大量破壊兵器を隠し持っていたとしても、それはフセインという独裁君主の趣味の延長であり、そいつを使って何かやらかすとは思えないのだ。すでに湾岸戦争で懲りているはずだから。イラクは原油の輸出が解禁されればいつでも豊かな国に戻るだろう。豊かさを知ってる国は、戦争で失うものの方がはるかに大きい。
北朝鮮の場合は話が違う。金正日は今でも「武力による南北統一」という夢を捨てていないし、核査察を巡る最近の動きをみればもう破れかぶれであることが窺える。北朝鮮という国家の最大の強みは「何も持たないから何も失わない」ということである。戦争を起こさせないためにはあの国を豊かにしてやることしかない。
「欲しがりません勝つまでは」が「ギブミーチョコレート」になったように、窮乏の中で国民はがんばれるが、豊かさの前にはすぐに人は転ぶのである。みみっちい援助をするくらいなら北朝鮮を日本製品で埋め尽くしてやれ。
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