2002年12月25日(水) |
文化財でもぶっつぶせ! |
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大野和三郎豊郷町長はなによりも町民の安全第一を考える立派なお方である。私利私欲に走る政治家が多い中にあって、今時珍しい存在である。老朽化した小学校の校舎を「耐震性が不十分で危険だから」と町の年間予算の半分強の18億8400万円もかけて解体新築してくれるという。そこまで町民のことを考えてくれる立派な政治家が他にいるだろうか。オレは涙が出そうなほど感動している。彼の立派な行動に対して、国も現校舎破壊のための補助金2億1700万円を補助して後押ししているという。
「どうせ建て替え工事を受注した業者から金でももらってるのだろう」と世間ではきっとウワサするだろうが、そのような想像はまさに「ゲスの勘ぐり」であって、彼の名誉を著しく傷つける行為であるだけに厳に慎まないといけない。それにこんな土壇場になって工事を中止したら莫大な違約金を請求されてしまう。その方がもったいないのである。もう工事をやるしかないのである。それがどんなに尊い文化財であっても、町民の命には代えられないのである。地震が起きた後ではもう遅いのだ。
大野和三郎町長は、工事の差し止めを命じた裁判所の仮処分申請を無視して、取り壊しを強行したという。しかも解体工事を妨害する住民に対して暴行までおこなったという。下手をすれば逮捕されるかも知れないのである。そこまで町長の「町民の安全を守る」という意志は強いのだ。力ずくでも自分の方針を貫徹させたいのだ。
「この古いクルマは修理した方がいいですか、それでも買い換えるべきですか?」このように訊かれて「修理」を勧めるカーディーラーはないだろう。建設業者に同じ質問をすれば「補修」よりも自分たちの利益になる「建て替え」を勧めるに決まっている。阪神大震災の直後に、住民の安全を守るためにそのような調査を依頼した町長はやはりただ者ではない。
新しく建てられる校舎がものすごい手抜き工事で、丁寧に戦前に造られた建物と比べて耐震性が劣っていようとそれは町長の責任ではないのである。昔懐かしい校舎を残したいという古い卒業生のノスタルジアにつき合ってる余裕もないのである。自分が町長のうちにとにかく「校舎破壊」いや、違った「校舎改築」というビッグプロジェクトを実現したいのである。もはや改築の理由はどうでもいいのである。もう止められないのである。建設業者と話は付いているのである。
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