2002年12月20日(金) |
馬鹿には自分が馬鹿であることは見えない |
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ポーランドの首都、ワルシャワには文化科学宮殿という建物がある。地上37階建てで高さが234m、市内のどこからでも見える便利な目印だが、市民はこのばかでかい建造物をことのほか嫌う。それがスターリンからの贈り物であり、ソビエト政府からの押しつけのプレゼントであったことも理由の一つだが、何よりもその存在が街の景観をぶちこわしているというのが市民にとってもっとも不愉快だからである。
「ワルシャワで一番いい場所はどこか知ってる?」
「もちろん文化科学宮殿だよ。
あの醜悪な建物の見えない場所はそこだけだからね。」
という市民に言い古されたジョークはその感覚をうまく伝えてくれている。
東京都国立市の大学通りに面した土地に明和地所が建設した高さ44mのマンションに対して、周辺住民たちが景観権の侵害を訴えていた訴訟で、東京地裁は住民側の請求を認め、市条例によって定められた高さ制限(20m)を超えた部分の撤去を命じる画期的な判決を出した。訴訟を起こした住民に賠償した例はあったが、建物そのものの撤去を命じた判決ははじめてである。
このマンションを建設した明和地所という企業は、建設反対運動を行った市民を徹底的に非難しただけではなく、景観保護のための条例を制定した国立市に対して「条例はマンション計画を積極的に妨害してる」という訴訟を起こし、馬鹿裁判官はその言いがかりを認めて市に4億円の支払いを命じている。社会正義を実現するのではなく、一企業の利益を守るこんなひどい裁判官は罷免してもらいたいぜ。この明和地所という企業、金儲けのためなら手段を選ばずみたいだから、関西に来たら京都の町屋をまとめてぶちこわしたり大阪城の隣に高層マンションをおっ建てたりしてくれそうで楽しみだな。反対運動のやりがいがあるぜ。
そうそう、腰抜け裁判官どもが誰も出せなかった「建物撤去」という勇気ある判決を出した宮岡章裁判長よ、企業ではなく市民に味方した判決を出した裏切り者に対してこの国のシステムは必ず排除の論理を働かせる。そういう裁判官は危険だからだ。おそらくあなたも過去に自衛隊に違憲判決を出した裁判官と同じく、いつまでも出世できない将来が待っているだろう。そんな仕打ちに負けずに今度は金権政治家に鉄槌を浴びせてくれよ。まだ裁判官の地位に居られるうちにせいぜいがんばってくれ。
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