2002年12月10日(火) |
露出症(モロダシ男)についての勝手な見解 |
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オレが露出症の男、いわゆる「モロダシおじさん」とはじめて遭遇したのは大学生の時だ。京都の東山三条のバス停で最終のバスを待っていた時、時間は10時40分くらいだったと思うが、交差点の対角線の位置で、女性の「きゃあああああ」という悲鳴が聞こえた。その方向を見ると、黒っぽいコートを着た男性と、逃げていく若い女性が目に入った。そのコートの男は、新たな獲物の女性を捜して横断歩道を渡り、こちらに近づいてきた。そして、あろうことかオレに接近してきたのだ。しかし、その時点でまだオレは、男が何者であるかを理解していなかった。男がオレに近づいていきなりコートの前をはだけた時、粗末なマツタケのような物体があった。オレは先刻の女性の悲鳴の意味がそのときはじめてわかった。「汚いモン見せるなおっさん!」オレが低くつぶやくと、男はびっくりしたように飛び退き、そのまま逃げていった。そのころのオレは髪が長く、小柄だったせいもあってよく女性に間違えられたものだった。
この男の行為は「公然わいせつ」ということで犯罪になるらしい。しかし、もしも若い女性が全裸にコートで同様の行為を行っていたとして、それを見せられた男性は「被害を受けた」と思うだろうか。むしろ狂喜乱舞して自分の見たものを網膜に焼き付け、急いで家に帰ることだろう。警察に届けるなんて馬鹿なことは絶対にしない。このような違いはなぜ発生するのだろうか。
女性にとってその物体が「醜悪で見たくないもの」「見ると気分が悪くなるもの」であり、男性にとって女性の裸体が「見ると嬉しくなるもの」「美しくて見ると幸福になれるもの」であるということはどういうことか。このような理不尽な差別に対して男性諸氏は黙っていてもいいのか。明らかにこれは偏見だ。そのような偏見に満ちた価値観を、いったい発達段階のどの時点で女性は刷り込まれているのだろうか。
心優しき女性のみなさん。どうかそのような偏見は捨ててください。モロダシ野郎に出会ったら「きゃああああ」とすぐに逃げるのじゃなくて、じっくりと観察してから、せめて一言「まあ、かわいいわね」と告げてやってください。か弱い女性の前で見せびらかすことでしか自らの男を誇示できない馬鹿で臆病な変態野郎のプライドをずたずたにして、とどめにキン蹴りでもお見舞いしてあげてください。男はおそらくあなたの優しさに感謝するでしょう。
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