2002年11月11日(月) |
市場の論理と適正価格 |
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ある商品にどんな値段をつければ消費者は買ってくれるか? この感覚にもっとも疎いのは永田町の政治家と霞ヶ関の官僚どもだろう。だって彼らは自腹を切ってタクシー代を出すこともないだろうし、収入も賄賂も我々の小遣いとは雲泥の差だからだ。関西国際空港の連絡橋が2000円で、明石海峡大橋の通行料金が片道3000円を超えていても全く平気である。それが庶民の経済感覚といかにかけ離れたものであるか、馬鹿にはきっとわからないのだろう。
マクドナルドのハンバーガーは半額にすることで、吉野家の牛丼は280円にすることで大きく売り上げを伸ばした。そこに存在したのは「この価格ならきっと安いと思って食べてくれるはず」という戦略である。もしもそこにものすごく馬鹿な経営者がいて、「価格を倍にしたら売り上げも倍に」と考えて牛丼を1000円にしたらどうだろうか? 誰も食べなくなってたちまち店はつぶれてしまうだろう。馬鹿な経営者はその会社をつぶすだけだが、馬鹿な政治家は国家の未来を破壊する。どちらが有害かは言うまでもない。
扇千景国土交通相は、本四架橋の通行料金値下げの問題に関して「赤字なのになぜ値下げするのか」と反発したそうだ。ここにも牛丼を1000円で売りたい馬鹿がいる。わずか数キロの明石海峡大橋の通行料の適正価格はせいぜい500円だろう。適正価格の6倍以上の通行量をぼったくる行為は、吉野家の牛丼を2000円で売るのと同じである。この世にはすべての商品に適正価格が存在する。例えばノートパソコンなら15万〜20万、ラーメンなら700〜500円、ラブホテルご休憩の基本料金なら3800円というようなものだ。それは購入者を安心させる価格であり、その価格帯に存在しさえすれば一定の需要は保証される。それが市場経済の論理である。価格がそのエリアを下回れば大きな需要が生まれるし、上回ればよほどの付加価値がない限り売れ残る。明石海峡大橋にいったいどんな付加価値があってそんなぼったくりの通行料金にしているのか、ぜひ教えて欲しいものである。
すぐ近くに住みながらオレはまだ一度も明石海峡大橋や関空連絡橋をクルマで渡ったことがない。その理由は単純明快だ。たかが牛丼に2000円払いたくないからである。
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