2002年11月07日(木) |
西宮冷蔵廃業・・・正義なんて空しいのかね |
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雪印食品の牛肉偽装事件を告発した水谷社長の西宮冷蔵が13億円の負債を抱えることになって廃業した。得意先の雪印食品が解散に追い込まれただけではなく、他の得意先からも契約解除が相次いで業績が悪化したのが原因だという。どの企業にとっても不正に目をつぶってくれる仲間が仕事のパートナーには望ましいということ。正義を貫徹するということはかくも困難なことなのか。世の中には多くの悪がはびこり、それらの悪は「必要悪」として社会的に認知され、まるでそれが社会の潤滑油のように機能していく。公共工事の入札が談合によって高値で予定価格ぎりぎりで落札される構図はこれからも変わらないだろうし、それ以外にもさまざまな不正は後を絶たない。「ジャンパイア」と呼ばれる巨人軍に有利な判定をする審判たちの存在が許せないのは阪神ファンの私だけではないだろう。
電車内で喫煙する高校生を注意したら逆ギレされて刃物で刺されたり、東京ドームでレフトスタンドの外野自由席を勝手に占拠して、一般客から席料をふんだくってるヤクザに文句を言ったら血まみれになるまで殴られる。それが日本という似非治安国家の姿なんだと思えば嘆かわしい。
「目の前に明らかな悪が存在しても、自分がそれを告発することで自分の身に危険が迫ったり、地位が危うくなるくらいならば目をつぶっていよう。」その積み重ねが、今の無責任国家を生み出したといっても過言ではない。交通渋滞の原因となっている違法駐車のナンバーを警察に通報し、空き缶を投げ捨てるドライバーのクルマの中にその空き缶を投げ返し、駅前広場で喫煙している高校生の顔写真をデジカメで隠し撮りして高校に送りつける程度の、誰にでもやれる正義の実践(?)くらいでは、大きな悪には到底届かない。数百億と言われる政府の牛肉買い入れ処理(そこには我々の税金が投入されているのだが)の不正を告発したことで、その後に発覚した日本ハムやスターゼンなどの大がかりな偽装発覚の先鞭をつけた勇気ある告発者、水谷社長の敗北は、同時にこの国の正義や良心の敗北でもある。累々たる正義の告発者の屍の上に、この国を腐敗させた連中どもの祝宴が今夜も繰り広げられる。
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