paranoia kiss
    

未だ現実として受け止められないでいる。
9つ年下の彼女がこの世を去るなんて。
勇気ある周りの人達の言葉により、
やっとようやくその事実を知る。
この土地で雪が降ることは滅多にない。
そして、星よりも月が好きだと言った彼女を思い出し空を仰ぐ。
今日は、月さえみえない曇り空。

此処ではみることのできないダイヤモンドダスト。
きらきら輝くそれのように文字を紡ぐ彼女が大好きだった。
昔の自分を見ているようで、放っておくことができなかった。

その土地では見ることのできない、嗅ぐことのない
金木犀の画像をすぐに送らなかったことを後悔している。

今年のクリスマスプレゼントを用意したというのに。

声にならない声で叫ぶ。
会ったことがなくても、言葉を交わしたことがなくても
いつだって心配していた。と。

2007年12月14日(金)



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