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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2005年11月18日(金)
旅の思い出 沖縄・那覇

 昨春行った九州の旅最終日に見たのは、沖縄・首里高校のグラウンド。モノレールに終点「首里」駅から徒歩数分。学校とは離れてた場所にあるので、探すのに大苦戦した。道路標識に『首里高校野球場』と書いてある(一高校のグラウンドが普通の道路標識で案内されているのを初めて見て、カルチャーショック)ものの、聞いても聞いても地元に人からは、反応が返ってこなかった。結局、その日は諦め、午後には京都に帰る飛行機に乗る日の朝、同じ場所をウロウロしてようやく見つけた。

 ところが、前日からもう新学期が始まっていて、朝10時のグラウンドは無人。フェンスの隙間からのぞきこむことしかできず、練習を見ることはかなわなかった。「それならせめて写真だけでも」と、フェンスの前でデジカメを構えた。赤い土で覆われているけど、外野部分に芝のような草のようなモノが生えている。無人だからか、より広く見えた。フェンスに巻き付くように生えている朝顔にような薄青紫色の花や、フェンスの下にはタンポポに似た黄色い花が咲いていた。通りすがりの人に“怪しい”と思われないよう、花を撮影しているかのように見せかけた。すると、花を入れて撮るアングルがすっかりきにいってしまいバシャバシャ撮っていた。 

 すると、「芸大の学生さん?」という年輩の男性の声が背後に突き刺さった。“やば”と思いながらふり向くと、側にはいつのまにか停車している黄色いタクシー。麦わら帽子にTシャツのおじさんはドライバーだった。近くの芸術大学があるらしい、学生に振りしてりゃよかったよ思ったのはあとのこと。素直に、京都から来ている野球好きだと告白した。

 すると、おじさんは、「ここ(首里高校)にはねえ、春になるといろんな高校は試合をしに来るんだよ。こないだも○○高校や××高校は来てたよ。京都だったら、平安も来てたかな?」。おじさんが挙げる高校名はどれもこれも超有名校。道路標識はそのためか。私が、「へ〜、すごいですね〜」と呆けていると。おじさんが言った。

 「どことやるかじゃないよ。大切なのは、子供たちの気持ちだよ」。おじさんは自分の胸をドンと一回叩いて見せた。すると、車内の無線から応答と求める声。「426番行きます」。おじさんはそう答えて、仕事に行ってしまった。