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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2004年12月01日(水)
死球


 試合の中盤、1−2。ツーアウトランナーなし。バッターは、エースピッチャー。相手ピッチャーが投げた球は、ヘルメットへ向かった。バッターはその場に倒れ込んだ。場内がざわめいた。

 前の打席でも、腕に死球。この打席でも前の球が顔の側にきてきた。頭部への死球は臨時代走を出すことが出来る。でも、このチームはそうはしなかった。少しして立ち上がったバッターは、治療のためベンチに下がった。

 相手チームは、軽いキャッチボールをしながら試合再開を待っていた。スタンドでは、応援が始めた。ところが様子が違う。かけ声の間に、「○○倒せ!」と言っている。その○○は、相手のピッチャーの名前だ。相当、腹が立ってるんだろう。懸命に叫ぶ応援団の中で、音頭をとっているのは、一際背の小さな部員だった。この子、見たことある。それは、このチームの前の試合が終わったあとのこと。スタンドで次の試合を見ていたのだが、彼はずっとバッターの子と一緒にいた。仲がいいのだろう。

 しばらくすると、相手校も、「○○倒せ」に気づき始めた。スタンドがざわめく。空気がとがっている。何か言うのかなと思ったけど、そのざわめきは束になることはなかった。間もなく、バッターは治療を終え、一塁へ向かった。拍手が起こった。次のバッターは、セカンドゴロだった。点数は入らなかった。チェンジのとき、ホームベース付近で、相手の一塁手が脱帽して、バッターに丁寧におじぎをした。バッターもそれに答えた。もう終わった話。次の回からは、応援も「○○倒せ」はなくなり、元のスタイルに戻っていた。

 結局、その1点を返せずに負けた。帰り、アイシングをしているバッターの側にには背の低い応援団の子がいた。