初日 最新 目次 MAIL HOME


あるこのつれづれ野球日記
あるこ
MAIL
HOME

2004年11月01日(月)
シューッといわせて投げてみたい(ちょっと加筆)


 同志社国際高校のグラウンドを見てきた。京都の南、京田辺市の郊外には、同志社大学の系列校がいくつか集まっている。駅から徒歩15分くらい。なだらかというにはちょっときつい坂を上りきり、同志社大学前を左折するとあるのが同志社国際高校。大学へ向かう坂道やグラウンドに植えてある木がいい感じで紅葉していて、ああ秋だなあと思った。

 グラウンドではすでに練習が始まっていた。公園のような雰囲気のあるグラウンドだなあというのが第一印象。横ではラグビー部が練習していて、背後を「ファイトー」と甲高いかけ声をあげて部活生の女子生徒が走っていた。私は三塁キャンパス後方にあるフェンスで作られた出入り口の前で練習を見ることにした。扉が開いていたので、視界良好。ところが、途中で指導者の人に「受験生の方ですか?」と声をかけられた。こういうことしていると、「○○ですか?」系の質問によく遭遇するが、受験生と聞かれたのはさすがに初めてだ。「はい」と答えたらどうなっていたのだろう?でも、どうがんばっても15には見えんと思うのだが。いや、保護者??結局、否定して、野球を見せてもらっているだけだと答えた。すると、彼は「珍しい人もいるもんだ」と言いたげに笑ったあと、開いていたドアを閉めた。わ、私のクリアーな視界が…。(安全のためなのは、十分に承知しています)

 練習で一番印象に残ったのが、ボール回し。普通ボール回しと言ったら、守備練習の前に軽く一回りか二回り程度してさらっと終わらせるものだけど、ここは随分長い間やっていた。学校のカラー上、野球経験者が多くないのもあるのだろうか、ポロポロとボールを落とすシーンをよく見た。指導者が体を動かしての送球や捕球のフォームを教えていた。「よし、いいぞ!」「ストライクを投げろ〜」。そして、ボール回しも段々スムーズになってきた。私はボールの軌跡を追いかけていた。見ている場所が原因なのかもしれないけど、4カ所のベース上に立っている選手を点で結ぶと、ダイアモンドが長方形に見えた。ピッチングに近いフォームで送球する部員たちを見ていると、このボール回し自体がスポーツとして成立するように思えた。競技のバレーボールは、相手に打たせないようにするものだが、友達同士で和になってするバレーボールは、地面に落とさずにより長く続けることが出来るようにみんなで力を合わせる。このボール回しは後者に似ているように思えた。なんかいいなあ。私のあそこでシューッといわせてボールを投げてみたいなあと思った。思うことくらいなら、許してもらえそうな雰囲気がした。

 そういや、私の隣で大学生の男の子が2人ほど練習を見ていた。人と待ち合わせをしていたようだったが、「あ〜あ、野球したくなってきた」とツレに話していた。ああ、同じこと考えてる!彼の言葉に驚いた。ある程度の強豪校の練習も見たことがあるが、「すごいなあ」「見てよかったなあ」と思うことはあったけど、自分自身が「野球をしたい」と思うことがなかった。でも、ここの練習を見て、私はボールを投げたいと思ったし、隣の子は野球がしたいと思った。不思議だけど、これは強豪校にはない普通校の練習観戦の魅力なのかもしれない。ここが特別なのか、それとも普通の学校に共通するものかは、今後グラウンドに足を運んで練習を見ないとわからないけど。

 そうそう。珍しいなと思ったのが、練習途中、一人の選手(か指導者か)がグラウンドをあとにしたのだが、そのとき部員たちは、口々に「サンキュー」「シーユー」と言って彼を見送った。中には手を振っている部員もいた。「ありがとうございました」に脱帽一礼のついた堅苦しいものではないそれを見たのは、初めてだ。さすが国際だけあるわなどと思った。※あとで知ったことだけど、途中で帰った選手は、フランス人の留学生。野球部に体験入部していたのだが、この日が最後の練習だった。私は初めてにして、非常に特殊な場面に出会えたことになる。これは普段の光景だとは思えない。

 この頃は日が沈むのも早い。外野後方にある少し古くなった白い壁の建物(おそらく部室や倉庫なのでは?)にあるオレンジ色の蛍光灯が辺りを照らしていたけど、ここは、夜間照明灯がないみたいだ。グラウンドの中がどんどん暗くなっていく。駅へ向かうために、グラウンドをあとにした。