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| 2004年07月12日(月) ■ |
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| 解夏 |
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さだまさしの「解夏」を読んだ。ドラマ「愛しき君へ」の原作本。設定的には、主人公がカメラマンであるドラマの方に興味があったけど、連続ドラマは一度見逃すとテンションが下がってしまう。再放送かビデオ化を待つことにして、ベースである原作本を読んでおくのも悪くはないだろうと、本屋へ走った。
分厚い本だし、連続ドラマになっているからどんなに長い話かと思えば、本当に短かった。100ページあったかなあ?ちょっと拍子抜けした。でも、内容はよかった。そして、これに骨や肉をつけて、長編にしたいと企画したであろうドラマ制作者の気持ちがわかる気がした。もっといろんなエピソードや過程が書かれていてもよかったのにと思ったが、そこらへんを想像して自分なりに物語をふくらませることができるので、ヨシとするか。
目が見えなくなる病気に侵された主人公は、いろんな人から話を訊く。印象に残った言葉は、「失明した地点で、恐怖が終わる」「目が見えなくなると視界が真っ暗になるのではなく、乳白色の闇にいるようなもの」。
舞台は、長崎。作者のふるさとでもあるため、景色の描写が細かく、またしっくりとくる表現だった。私はこの春に長崎へ行ってきたばかりだ。だから、そのとき目にした景色を思い出しながら読んでいった。長崎駅を降りると、上から迫ってくるように家が建っている。山なんだろうけど、輪郭が建物のそれにとってかわっているように見えた。ま、それはそれで風流だけど。
実は、長崎は旅行中もっとも凹んだ時期にいた場所だった。疲れていたのもあるし、何やってもうまくいかなかったのもある。で、夕方にはチェックインしてホテルに入った。カーテンをあけると、建物の輪郭をした山が窓の枠が縁になっている絵のように映っていた。ああ、長崎ってこうなんだ。私の心は疲れていたので、実際の距離以上に遠くみえた。ダメなときは、景色が心にしみこまないんだなあ。長崎が悪いんじゃないよ、私が悪いんだ。そんなことを考えてぼんやりしていた。だから、あまりよく覚えていないと思っていたのに、この本を読んでなぜか、それが一番印象に残っているかのように思い出すことができた。不思議だ。思い出って、やっぱり月日が必要なんだなあ。
さだまさしで思い出した。数年前、小学校時代の同級生とたまたま再会し、よく遊んでいた。そんな彼に、おもしろ半分で、さだまさしのベスト盤を借りた。でも、一度も聴かないまま、未だ返せずにいる。彼は仕事の都合で北海道に行ったとか、行かないとか。音信不通のままだ。
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