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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年06月15日(土) ■
あるこの神宮シリーズ�◆喪妨董�我が母校〜


 早稲田の和田がいる、九州共立の新垣もいる、昨年の優勝校の東海大もいる。松坂世代と呼ばれる数多くの選手が姿を見せている…。そんな見所の多い今大会だが、私がわざわざここに足を運んだ最大の目的は、我が母校の試合をこの目で見ることにあった。

 大学野球をよく見るという方なら、校名程度は耳にされたことがあるかもしれない。私の母校の名前は、龍谷大学という。京都にある佛教系の4年制の私立大学だ。

 ありがたいことに、ここ数年、プロ野球選手を輩出しており、一軍でがんばっている先輩や後輩もいる。別に私は野球部とは何の関係もないのだが、それが嬉しかったりする。


 小学校のとき、父がふいに「お前は、龍大(に行く)やろ」と言った。当時の私は、「私、坊さんになるわけじゃないから、イヤや」と答えた。父は、「別に坊さんにならんでもいいやん」と言ったが、「でも、イヤや」と返した記憶がある。

 それが、10年後、ものの見事に龍大に入り、それも、バリバリ坊さん系の佛教を専攻することになるとは…。親の勘とは恐ろしい。また、他にも3,4校受験したが、受かったのはここだけ。中には、合格安全圏と言われた大学もあったが、ものの見事に落ちた。私は、ここと縁があったんだろうな。今にして思うわけだが。


 母校の試合を見るのは、8年ぶりだ。8年前、1994年、大学1年生だった私は、友人につきあってもらい、応援バスに乗り込んだ。神奈川大学、中央学院大学を破り、ベスト8で駒大にコールド負けした。

 中央学院戦と駒大戦は連戦だったため、応援団は近くの築地本願寺に泊めてもらった。広い床の間にチアガールも選手の友人知人も、私のような単なるファンもみな、雑魚寝状態。チアガールの子たちは、試合終了後からバスの出発時間までの間に、東京でブランドものの洋服を買い込む計画を立てていた。


 その母校、今日の第二試合に登場した。対戦相手は、九州国際大学。試合前の光景を見ていると、不覚にも泣きそうになった。

 よくわからない。あのグランドにも、応援団にも知っている人はいないし、指導者も当時とは違う方だ。あの頃の面影は、何も残ってないはずなのに…。

 以前、読者の方から「(野球部のOBではないのですが)母校が甲子園に出たので試合を見に行きました。試合が終わって、部員が挨拶のためにうこちらに向かってくるのを見て、何故か涙があふれてきました」といった旨のメールを頂戴したが、それをふと思い出した。

 試合は、ひょっとしたら、初回の攻防で決まっていたのかもしれない。

 1回表、龍大は、先頭バッター・川原選手のセンター前ヒットでいきなりチャンスを作るも、その後、バスターの失敗で、ランナーを無くし、バッターも三振。結局無得点に終わった。

 対する九州国際大学は、先頭バッターがツーベースーで出塁した(これも野手がやや目測を誤ったような感じの妙な追い方だった)。その後、エラーと併殺崩れでイヤな感じで先制された。

 実は、この併殺くずれ、判定が微妙だった。龍大の二塁手が塁審に何か言っていたが、認められなかったようだ。イヤな流れだな、と思った。

 その思いが的中してしまう。何でもないピッチャーから一塁手へのトスでも捕逸したりで、5回までに失策数は「5」(公式記録では「4」)。信じられない光景に言葉が出なかった。(あ、でも、一回だけ、悪送球を見て思わず、「アホタレ」と口走ってしまった。ごめんなさい!)

 元からこんな程度の守備力なら、リーグ戦を制して、ここまで勝ち上がってはこれなかっただろう。同じ関西の近畿大学もこういう感じで敗れ去った。一体、何があったのだろう。

 また打線も、九州国際大・安達投手の緩急をつけた投球に翻弄され、チャンスすらつかめない。ひょっとしたら、コールド負けするんちゃうかとすら思った。それだけ、重苦しい雰囲気だった。

 しかし、最後の最後で後輩たちは魅せてくれた。

 相手のエラーが絡んで1点が入り、1−4で迎えた8回裏、龍大は、エース・杉山投手を投入した。敗戦濃厚な試合。本来ならあり得ない采配。しかし、この杉山投手が、自らまいた種とはいえ、無死満塁のピンチを切り抜けた。すでに野手にエラーは出ることはなくなっていた。9回表の出来事は、これは伏線になっていたのかもしれない…。

 9回表、先頭バッターの代打・米澤選手が、セカンドへの内野安打。そして、5番・成田選手の放った打球は、まっすぐレフトスタンドへ向かった。「これは、行った!」。近くの観客の声が聞こえた。私は、この目で、ボールがスタンドインし、審判が腕を回すのを見届けるまでは油断できまいと、前屈みの姿勢で打球を見守った。時間が、すごく長く感じた。

 ウワァーと歓声が上がった。ホームランだ。

 私は、試合を冷静に見守る人ばかりが集まったネット裏2階席で、「やった〜」と大声で叫び、手を叩いた。

 成田、最高や!ようやった!
 
 本人が聞いたら、「なんやねん、こいつ」と思うようなことを心の中で叫び、声援を送った。

 ちょうど、そのとき、前の席に試合を終えた九州共立大の選手が観戦していたのだが、そのうちの一人が、ポツリと、「イヤやな、龍大とやるの」とつぶやていた。

 流れはこっちに来た!そう思ったりもしたが、結局、あと1点が取れずに敗退。でも、不思議と気分は良かった。ホームランのせいだったのかもしれないし、ただ母校の試合を見ることが出来ただけで幸せだったのかもしれないし…。

 でも、試合内容としては、いただけないものだった。まだまだ若いチーム。秋の選手権出場への道は、春以上に厳しいが、“一歩前に出る力”と“緩急に負けない打撃”を身につけて、挑んで欲しいと思う。

 今回は叶わなかったが、応援団の後輩にも是非、築地本願寺の雑魚寝を経験させてあげたいな。