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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2001年09月08日(土)
礼っ!


 打席に入るときに一礼するバッターが好きだ。
 指導者からの教育かもしれないが、必ず全員がしているわけではなしし、している選手でも照れからかいい加減にすませているように見える選手もいる。今この打席に立てることに感謝し、審判に判定をお願いする意味での「礼」。ある宗教書に「高校野球は宗教的だ」と書いてあったのにも頷けた。
 高校野球はとにかくよく「礼」をするスポーツだ。試合開始と終了、試合中も伝令に入る選手がファウル線をまたぐときに一礼、またバッターにボールをぶつけてしまったピッチャーが一礼する。球場やグランドに入るとき、そして出るときもそうだ。先輩や父兄、OBとすれ違うときもしっかり「礼」。
 高校球児の「礼」は別格だと思う。見ていて気持ちがいいし、そして見ている者の背筋まで伸ばしてくれる。
 少し前だが、元高校球児の男性とお話する機会があった。別れ際に「おつかれさまでした」と一礼されたのだが、その角度といい姿勢といい見事だった。そして、なにより気持ちがこもっているように思った。一朝一夕では出来ない仕草だ。「礼」で始まり、「礼」で終わる3年間の高校野球生活がなし得た技。そして、高校野球を離れて数年経った今でもそこにあるのがすばらしい。私もそれに精一杯応えようとしたが、到底無理な話。「礼」もろくに出来ない自分が恥ずかしかった。
 
 高校野球をやっていていろいろんなものが残ると思う。今の高校球児にもどうかこの「礼」をなくさないで大人になって欲しい。
 決して甘くはない社会だが、「礼」一つで切り抜けられたりするものだ。
 社会人の先輩はそんな風に思ってたりする。