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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2001年09月02日(日)
9番・ファースト


 秋の大会が始まった。私の応援するチームは打撃が爆発。12−2のコールド勝ちした。幸先のいいスタートだ。
 今年は打線がいい。1〜6番くらいまでは平気で長打を打つし、下位からホームランが飛び出すこともある。しかし、そんな中、地道にがんばる選手がいる。彼のポジションは「9番・ファースト」。ファーストといえば、そのチームの主力打者がつくポジションだと相場は決まっている。たまに6番7番あたりを打つ選手も見掛けるが、9番なんて正直聞いたことがない。このチームのまた夏までは4番を打つ選手がファーストの守備位置にいた。
 私個人はファーストの守備も侮れないと思っている。アウトの約半数がファーストがボールを受けることによって成り立っているからだ。しかし、彼を見ている限り、下手ではないが特別うまいこともない。それなら打撃がすごいのかといえば、そうではない。だから9番に入っているのだろう。
 彼は背が高い。チームでは数少ない180センチ台だ。その背の高さと買われているのかどうかはわからない。では何故、4番を押しのけて9番である彼がファーストのレギュラーポジションを獲得出来たのだろう。
 よくわからないが、彼からは野球に対するひたむきさが伝わってくる。基本に忠実に野球をしようとしているのではないかと思う。そして、それが好結果を生んでいるのだ。打席に入ったらその大半は送りバント。しかし、ときおりそれがバントヒットになる。特別足が速いようには感じないし、またバントヒットを狙っている様子もない。それでも全力で駆け抜けたら、審判が手を水平にしているのだ。バントをしないのは、塁上にランナーがいない場面で打席に立つときだ。そこで彼がやることは、センター方向を意識した転がすバッティング。相手がどんな投手であろうとおごることばく、しっかりと打球を転がす。今日はそれが広めの二遊間を抜き、センター前ヒットになった。前の試合ではピッチャー強襲ヒットを打っている。「打線は水もの」と言われるが、こういう地に足の着いた選手が困ったときの救世主となりえるのかもしれない。漠然とそう思った。
 もちろん、長打を打てる選手を否定しているわけではない。ボールを遠くまで飛ばすことはすばらしい芸術だし、なんといっても野球は点取りゲームだ。ある人の受け売りで恐縮なのだが、それぞれの選手の良さが生かせる野球。それで勝てたら最高なのではないか。
 「9番・ファースト」君は次回どういう活躍を見せるのだろう。今からとても楽しみだ。