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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2001年01月15日(月)
追っかけ姉ちゃんの応援回顧録 「おつかれさまでした」


 1997年の東山は、京都で一番長い夏を敗戦という形で終えた。

 いろんな思いはあっただろうけど、球場から出てきた選手の顔は晴れ晴れしていた。人目かまわず彼女と2ショット写真を撮る選手もいた。普段ならいい感じがしないのだが、このときはほほえましくすら思えた。

 エースピッチャーは顔立ちの整った女性ウケするタイプだ。そのため、お母さんの間でも人気者で、何人かのお母さんは一緒に写真を撮っていた。

 すでに選手と話すことはなかったが、このときは不思議と何か一言言いたいと思った。それはともきちも同じだった。

 私たちは、ちょっと離れた場所にいたのだが、偶然彼が一人で側を歩いていた。若干距離があるので、大きな声を出さないと聞こえない。こういうときの行動力はともきちの専売特許。「あのー、おつかれさまでした。…楽しかったです」

 すると、彼はこちらを向いて軽く脱帽し、会釈した。困ったような笑顔だった。後で、「試合で負けたのに“楽しかった”なんて言ってしもた。恥ずかしー(>_<)」と彼女は赤面していたが、でもそれが私たちの偽らざる気持ちだった。

 あと一歩で逃した甲子園。でも、それよりもうこのチーム、この父兄さんたちと試合を見れないのが悲しい。泣いて、笑って、怒って…本当に楽しかった。夢のような10数日間だった。

 あの華やかな舞台は、苦しい練習を乗り越えてきた選手たちのためにある。なんだか便乗したみたいで申し訳ないなあと思いつつ、でも、応援は止められないなと改めて思う。