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2001年01月14日(日) ■ |
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追っかけ姉ちゃんの応援回顧録 「宝物」 |
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1995年の夏のこと。 京都大会準々決勝でチームが勝利を収めたのを見届け、ともきちと2人で球場を後にしようとすると、後方から誰かの呼び止められたような気がして振り返った。そこには試合が終わったあと、歓談している父兄さんがいらっしゃった。
父兄さんが私たちを手招きしている。「何やろ?」と思って駆け寄ると、「これ、あげるわ。来年も再来年も応援にきてね」。
その父兄さんはご自分のカバンからおもむろに差し出した帽子を私たちにくれた。藤色地にツバの端に白色の筆記体で「Higashiyama」と書かれている。当時、お母さん達がおそろいでかぶっておられたサンバーンだった。びっくりした。
私たち2人はただ驚くだけで、お礼の言葉も上手く口にできなかったように思う。おそろいの帽子、なんだか仲間にしてもらえたような、私たちの存在を認めてくださっているように思えて嬉しかった。
残念ながら、このサンバーン、負けクセがついてしまい、今では試合でかぶることはない。でも、これは私の宝物! 生まれて初めて、そんな感情を持ったように思う。
幾度もバージョンアップを繰り返し、今の父兄さんたちがかぶっておられるものとは違うので、もう手に入らない。
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