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2001年01月12日(金) ■ |
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追っかけ姉ちゃんの応援回顧録 「後輩」 |
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ある日、父兄さんにこう言われたことがある。「昔は強かったから、応援していても楽しかったんちゃう?それに比べて今は弱いし、ごめんねえ」。私は首を振った。当時は、いいことと同じくらい、いやそれ以上にイヤなこともあったのだ。自分の力ではどうすることもできないやるせなさとともにあった時代だと言っていい。
1993年春、チームは甲子園に出場した。残念ながら結果は出せなかったが、それでも人気は衰えることなく、試合にもグランドにもいつも大勢の女の子たちが詰めかけていた。
この人気が嬉しい反面、げんなりともしていた。“一緒に応援したい!”と思えるようないい女の子がほとんでいなかったからだ。男の子から見たいい女の子と、女の子から見たそれは明らかに違う。選手の気を引くために派手な格好をした子、選手のカバンについているキーホルダーをちぎる取るような輩と一緒にはされたくないと思った。でも、世間では私たちもそんな子たちも同じ“甲子園ギャル”となる。あーあ、イヤやな。
そんな中、唯一“いい子だな”と思ったのが、大阪の女子高に通う2人組の女の子。1つ年下。敬語がきちんと使えるし、ところかまわずキャーキャー言ったり、選手にこびを売ることもなかった。その上、とびっきりかわいい&美人ときている(実際、選手の声をかけれらた子もいた)。彼女らを加え、4人で行動するようになっていた。私にはそれが嬉しかった。彼女らは、追っかけ歴的には後輩となるのだが、ホンマの後輩だったら最高やのになあと思った。
それにくらべ、我が母校の本物の後輩の情けないこと!
夏の大会、試合に負けたあとに選手を追いかけて、キャキャ言っている。それも目立つ制服姿で。ああ、やめてよ、同じ学校通ってるなんて恥ずかしいわ。
ホンマの方の後輩の女の子は、学校を出てすぐ就職してしまったため、試合で見かけることはなくなった。でも、ともきちの家にはしばらくは年賀状が来、東山の動向を気にする文面があったのだという。
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