Desert Beyond
ひさ



 夏のStrobolight

「夏が終わりに近付いてる。」
と僕は言った。
周りには誰もいなかった。
前触れらしい前触れはない。
ただ感じるだけ。

じわ〜っと汗が出て来る。
手の甲で額の汗を拭った。
ずーっと北へ伸びる路地には
少しだけ西に傾いた強い太陽の光が
西側の建造物の影を路地に落とさせた。
長い真夏の路地には誰もいない。
光、影、光、影…
蝉の声が湿気の多い街の空気に染み込む。

一週間程、いつだかしていた温室の世話を任された。
植物の研究をしてる子が帰郷しているので
経験ありで街残留の僕が任されたのだ。
長靴履いてカッパを着てフードを被る。
軍手もする。
そしてジョーロに水を汲み
小さな苗たちに水を与えていく。
夏の夕方。

2愛+4愛+2愛+4愛-sunset

12愛からsunsetを引くと
一体何が残るんだろう。
「混乱」?
「迷い」?
「恐れ」?
もっと良いものだといいけど。

2007年08月19日(日)
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