Desert Beyond
ひさ



 梅雨のトンネル

あなたのことを
深く愛せるかしら

冷たい頬が突然浮かんできた。
雨がぱら、ぱら、と降り出した。
もう午後八時。
夕も暮れた。
僕は暗い部屋の中
ベッドの上に横たわっている。
ドライをかけているエアコンの音と
ぱらぱらという雨の音
時折通りを過ぎる車やバイクの音しかしない。

先程も一度ぱらぱら降り出した雨だが
その時はすぐに止んでしまった。
今回は一定の降り方で落ち着いて雨だ。

僕は風邪をひいている。
夕方は西の明るい空が曇り硝子を通して見えた。
夕方の街の音が聴こえる。
ひとり風邪で寝込んでいると
そんな音や光が無性に寂しさを煽る。
西の空が見たくなってドアの外に出てみた。
隣りのビルの屋上には猫が2匹いたよ。



2007年07月12日(木)
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