Desert Beyond
ひさ



 七夕も過ぎて

たまにビルの谷間見上げたくても
この街にそんな場所も少くて
結局は諦めてしまうのだ。
ただのないものねだり。

将来日本の首都圏には住みたくない。
朝晩の通勤ラッシュはごめんなんだ。
今こういうのんびりとした
四国の小都市に住んでいて思うのは
東京という都市そのものが
沢山の機能と魅力を持った
巨大なストレスなんだということ。
ある人はそれもわからず暮していて
ある人はそれがわかっても暮していて
ある人は東京を目指し
またある人は東京から去っていく。

生きるってこと。
人生の価値観。
人としてどういうふうに暮したいか。

大切な生活
一度だけなんだもんな。

雨はまた未明に降るつもりなのか
薄く汚れた鼠色の雲の中
今は黙って地上に落ちる機会を伺っているよう。

研究には終わりというものがない。
僕は最近になってようやく
研究というものがわかってきた。
世界の最先端を走るために
世界の人々の仕事を知る。
気付けるか。
生み出す力。
それで漸く研究が表に出る。
しかし終わりはない。
自分で決着をつけるまでは。

沢山の人達の人生と交差して
気持ちを得て、失った。
全ては夢のためなのか。
人生観とイコールではない矛盾。
でももう引けないし引かない。
全てのために引かない。


七夕、研究室の仲間を中心に
10人くらいで集まって
持ち寄りパーティーをした。
竹をどこから切ってきたのか
僕らは飲み食べして
それぞれの願いを短冊に書いてそれを飾った。
なんだか飲みたい気分になれず
体調が崩れてきた。
でも笹の葉サラサラと
一緒に七夕できる仲間達を大切に思った。
七夕したのは久し振りで
ちょっと嬉しい幸せな気分だった。

2007年07月09日(月)
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